「本当によくできたミュージカルだと思いますし、ミュージカル好きにとってはバイブルのような作品。小さいころからよくダンスをまねしていました」
まだ20代とは思えないほど、ミュージカル俳優としての実力・キャリアが充実している小野田龍之介さん。
そんな小野田さんが語っているのは、ブロードウェイ・ミュージカルの中でも傑作中の傑作と言われる『ウエスト・サイド・ストーリー』(以下『WSS』)。
若者たちの情緒や感情が音楽に表れている
彼はいま、客席が360度回転する劇場、ステージアラウンド版『WSS』でジェット団のリーダー、リフ役(上山竜治さんとWキャスト)の稽古中。実は、小野田さんは3年前、劇団四季で上演された同作品でトニーを演じた経験がある。
「1度この作品の世界で生きたことは、僕の強みだと思います。作品についても、リフのことも、トニーの目で知ることができましたから。『WSS』はダンスのカッコよさはもちろん、音楽の豊かさがすごい。
急にアップテンポになったりスローの静かな曲になったりするんですが、そこにはまだ精神状態が安定しきっていない若者たちの情緒や感情が表れているんです。
ガッとストレスを抱えたり、落ち着いたりという心の揺れが、ダンスの振りともすごく密接に結びついています。これまでいろいろな演出で上演されてきても、振り付けは絶対に変わらないというのはすごいですよね!
前回のトニーでは激しく踊ることができなかったので、今回は“踊ってやるぞー”という気合は十分です(笑)」