相手に求めるのは”本質的な気配り”
──ラファエルさんみたいな経済力のある男性って、どんな女性と結婚したいと思うんですか
「経済力があるということは成功した人だと思うので、やっぱりお互いに高め合える人がいいと思うんじゃないですかね。女性としてのレベルの高さを求めてるんじゃなくて、例えば自分では気づけない自分の魅力に気づいてくれる人とか。能力の高い人って、他人に理解してもらえないことも多いから、自分を理解してもらえるっていうのは大事だと思いますよ」
──それって、女性のどういうところで見抜くんですか?
「……これはあまり人に言いたくなかったんですが。広い視野を持つ人って、仕草がすごく丁寧(ていねい)だなと思うことが多いんです。例えば、飲食店での所作とか、細かいところにまで気を遣うことが自然とできる女性じゃないでしょうか。
モテるためにじゃなくて、息を吸うみたいにできる女性。モテようと思ってやってる人って、どこか別のところで抜ける部分があるから、絶対バレるんですよ(笑)」
──所作や仕草ですか。外見の好みとかは全く関係ないんですか?
「僕自身は、外見とかは全く関係ないっすね。しいていうなら、黒髪の人を好きになったことが多いかな(笑)。
黒髪がいいわけじゃなくて、なんとなく実直そうなイメージだからってだけなんですけどね」
アツい人情家な一面
『無一文からのドリーム』の中では、幼少期の貧困生活から始まり、10代に入隊した自衛隊でのこと、会社員とYouTuberの二重生活のことなど、ラファエルのこれまでの人生が記されている。その語り口は常に言いきり型で、過激な動画をしれっとこなす仮面姿も相まって、冷たい印象を持つ人もいるかもしれない。
しかし、インタビューでわかったことは、論理思考をする裏側には、仮面では隠しきれないほどの思いやりで満ちあふれていた。合理的な話し方は、裏を返せば相手に齟齬(そご)を与えない親切さで、所作から人間性を判断するのも、彼自身がこまやかで気配りのある人間だからである。
書籍では、本インタビューとはまた違うラファエルの人生観や処世術を垣間見ることができる。若者の憧れのアイコンでもあり、子どもたちのなりたい職業ランキングでも上位を誇る“YouTuber”がどのような思いで炎上動画を撮り続けたのかを知ることができるだろう。
最後に「どんな人に読んでほしいか」聞いてみると、
「これからの将来が不安で悩んでいる人や、就活前の学生、社会人になって1年目、2年目の人に読んでほしいですね。こんな人生を送っている人もいるから、前向きに今できることをがむしゃらに頑張ってほしいって思ってます」
不敵に笑う白い仮面の下に、優しく微笑んでいる素顔が見えたようだった。
●ラファエル●YouTuber、実業家。大阪府生まれ。定時制高校を卒業後、パチンコ店に勤務。その後、自衛隊や営業職などを経てYouTuberに転身。
自衛隊で鍛え抜かれた肉体、営業職で培ったトーク力とビジネスセンスを武器に、瞬く間に人気YouTuberの仲間入りを果たす。
チャンネル名は「ラファエル Raphael」で登録者数は130万人を超える(2019年9月現在)。