8歳上でも気にならなかったのは

 昨年の冬、30歳の安彦さん(仮名)が婚活パーティーに参加しました。そこでマッチングしたのが、38歳の幸子さん(仮名)。そのパーティーは、年齢を明かさないものでしたので、幸子さんの年齢を知ったら、再び会うことに二の足を踏むのではないかと、私は思っていました。

「○番の女性とマッチングしているけれど、プロフィールを送るわね」

 送るとすぐに、意外な返事が返ってきたのです。

「パーティーの終わりに、『お互い、番号を描きましょうね』と約束したんですよ。よかった〜。ちゃんと書いてくれたんだ」

「年齢は、大丈夫?」

「あ、 38歳なのは知っていますよ。パーティーで年の話もしましたし。年なんて関係なく、すごく明るくて感じがよかったんです。なんていうのかな、話をしていると元気をもらえるというか」

 その後、2人は交際に入ったのですが、4か月後には安彦さんが幸子さんにプロポーズをして、10か月後には、早々と入籍をしてしまいました。

 安彦さんは、大学を卒業後に大手メーカーに就職をしたのですが、20代後半になって一念発起し、友達とIT企業を立ち上げていました。しかし、まだまだ収入は不安定。さらに、自営業なのでこれから何が起こるかわかりません。

 安彦さんは、私に言いました。

「幸子さんは、とにかく発言が前向きなんですよ。あと、すごくよく笑う。会社員時代と違って仕事の厳しさは、身につまされています。これから、うまくいくこともあれば落ち込むこともあるかもしれない。だけど、彼女がそばにいてくれたら、どんな局面も乗り越えられる気がしたんです」

 夏に結婚式を終えて新居を構えた2人は、今、妊活に入っています。幸子さんの年齢を考えると、1日も早く子どもを授かりたいと思っているようです。