主犯格は19歳らしい

 捕まった最年長の上田容疑者も建設現場を転々としていたという。自宅がある長浜市内で2~3か月前から働いていたというとび会社の関係者は、

「週に1~2日でひとり親方という形で働いてもらったけれど、アルバイトという形。朝が早い仕事だけど、7時でも8時でもきちんと来るし、性格も穏やかだから、なんでこんなんになったんか、俺もわからんのよ」

 と首をかしげる。凶悪事件とは結びつかないが、こんな話も。

報道で上田は1人だけ名前が出とって、年も離れとるから、主犯格に見えるけど、実は主犯格は19歳らしい。その子と上田は親戚か知人で、頼まれたのではないかと。その主犯格と被害者は同じとびの会社で働いていたとも聞いたよ」(同・関係者)

 前出の友人が嶋田さんとの思い出話を続ける。

「嶋ちゃんは神出鬼没という言葉がピッタリで、変なところもあるけど、面白くて、友達思いのいいやつ。友達が落ち込んでると、次の日に仕事があっても家に来て、朝方まで元気づけてくれてね。

 ボクらは小・中学校の同級生グループですが、高校は別々になっても、年に1回は集まって、自転車で琵琶湖一周したり、京都へ行ったりして遊ぶ仲間でした。年末も必ず集まってね」

 昨年の夏は、琵琶湖湖畔でBBQを楽しんだという。夕方、片づけていたところで突然、1人が言い出した。

「これから東尋坊へ行ってみようぜ!」

 その場のノリで、行くことになり、車2台に分乗して、「夜9時半ごろに東尋坊へ着いて、みんなでひとしきり遊んでから帰ると、もう朝の4時でした。1年前は、あんなに楽しかった思い出の場所なのに、そこで生きたまま落ちるなんて……」

 と、友人は悔しさと悲しさで身体を震わせ、語気を強めた……。

 事件後、嶋田さんの友人たちは東尋坊へ出向き、花束や嶋田さんが好きだったタバコなどを海に投げて、その死を悼んだそう。

「嶋ちゃんの死に顔を見ていないので、まだ死の実感がないんです。神出鬼没の嶋ちゃんだから、年末の集まりにはひょっこり顔を出すんやないかという気がしてるんです」

 目の前で嶋田さんが亡くなる姿を見たであろう容疑者たち。この友人が言うように仲間割れがあったのだろうか。

 本当に友達だったのなら、嶋田さんが死に至った過程を正直に語ってほしい。