松本だから、どこまでなら失礼じゃないのか。そのことを知るために介護職員初任者研修を受けはじめたんです

西川「とりあえず、当時は時間がたっぷりあったしね」

松本「一発屋って、忙しい時期の後、いきなり暇になる期間が必ずあるんですよ」

西川「将来が不安で何か資格を取得したくなるんです」

松本「例えばムーディ勝山やったらバスを運転できる大型二種免許とか、髭男爵のひぐち君はワインエキスパートとか」

西川僕らはいろいろな巡りあわせもあって介護の資格を取得することになったんです

松本そしたら、ずっと前にネタ本を出版した竹書房の方が声をかけてくださいました

西川「“もっと簡単に介護のことがわかる本をレギュラーさんでできませんか”って」

松本「ほんまにありがたいことです」

みなさんも間違えてますやん

──実際に介護の現場ではどのような活動をなさっているのでしょうか。

西川基本的には、みんなが参加できる演し物を人前でやる介護レクリエーションです。ネタを披露したり、僕らが考えたオリジナルの認知症予防体操をやったり」

レギュラー・西川晃啓 撮影/矢島泰輔
レギュラー・西川晃啓 撮影/矢島泰輔

松本「僕らが意識しているのは、介護レクリエーションが1時間あるとしたら、その1時間を楽しい空気にするということです。

 基本的には、僕らが生徒で施設のみなさんが先生という形を作るようにしています」

西川「例えば、練馬区の施設やったら“練馬ってなにが有名なんですか?”って聞くんです」

松本「そうすると、“練馬大根!”って答えが返ってくるんですよね」

西川“えっ? 練馬区で大根がとれるんですか?”って聞くと、“君らはバカやなぁ”って練馬大根の説明をめっちゃしてくれたりして」

松本僕らがバカな言動をすることによって、施設の人たちとの関係性が変わるんです

西川「体操をするときとか、“僕らも間違えるけど、みなさんも間違えてますやん”って、間違いを笑いに変えられる」

松本「こんなふうにして、毎回、芸人ならではの空気づくりを心がけてます」