これからの芸能界と自らの目標

――吉本興業がエージェント契約を始めましたが、これからの芸能界についてはどのようにとらえていますか?

「変わっていくと思います。経営者目線でいうと、頑張って育ててきて売れそうになったところをいきなり大手に引き抜かれても文句を言えない状況になってきたなと。だからこそより一層、タレントさんと事務所側の信頼関係、人間性、裸一貫のつながりというのがすごく大事になってくるはずなので、気を引き締めなきゃなと思っています」

――今後、どういったことをエンターテインメント業界に仕掛けていきたいですか?

「自分自身、中学高校時代、“なんで誰も認めてくれねえんだ”という絶望感があったので、そういう絶望感を抱いて“死にてえ”みたいに思っているやつに“もうちょっと生きてみようかな”って思わせることができたらいいなとは思っています」

渡辺淳之介が考えるアイドルの「定義」

――最後に、渡辺さんが考えるアイドルの定義、そして、どういう女の子がアイドルに向いていると思われているか教えてください。

アイドルとは、生身の人間ではあるんですけど、本物じゃない偶像ですかね。正直、アイドルに向いている女の子っていないと思うんですよ。

 自我を出さなきゃいけないけど、同時にその自我を殺さなきゃいけないという紙一重なところを求められているので、すごく人間としても難しいですし。だから、ちょっとワガママな、基本的には性格の悪い子がアイドルを目指すんだろうなと思っています(笑)」

■映画『IDOL-あゝ無情-』
毎年恒例となったWACKによるアイドル最終合宿オーディションが2019年3月に行われた。場所は2回目の開催地となる九州の離島、壱岐島。アイドル候補生たちだけでなく現役メンバーも参加し、一週間の過酷なサバイバルオーディション生活を繰り広げるが……。 11月1日(金)よりテアトル新宿、11月8日(金)よりシネ・リーブル梅田、11月9日(土)よりシネマスコーレにて公開