ゴルフの国内女子ツアーで、クラブハウスの風呂場にタオルが置かれていないことに怒った笠りつ子選手が、スタッフに「頭が固い、死ね」と発言した問題。
「テレビのバラエティー番組でも似たようなことはあるんです」
そう伝えるのは、バラエティー番組の中堅スタッフだ。
「最近の若いタレントは、笑いが取れるだろうと思ってか平気で『死ね』とか『殺す』とか『いったん死んどけ』とか言う。『死ね』や『殺す』なんて言葉は、小学校でも使ってはいけないと習うし、さらにその言葉を吐いただけで、脅迫罪で逮捕されると、私は大学の授業で習いました。現に、SNSで相手に送って逮捕されたというニュースだって報じられていますよね。そんな言葉をオンエアしないように編集しますが、そのままオンエアしてしまうスタッフもいますよ」
テロップまで出た中居の発言
今年9月に放送されたバラエティー番組でも、中居正広(47)がその手の発言をしていたという。
「よく覚えています。お笑いの小梅太夫のモノマネを中居がやったんですが、スタジオのお客さんがシーンとなった。そのとき、小声で『殺すぞ』って言ったんです。わざわざテロップも入っていました。視聴者への影響を考えると、どんな状況であっても『殺すぞ』は使っていけないと思いますよ」
テレビ番組の制作スタッフの感覚劣化は今に始まったことではないが、
「大学や専門学校を出たばかりのADや、少しキャリアを積んだディレクターが作っていますから、言葉への感覚が甘い」(前出・中堅スタッフ)
テレビ誌ライターからはこんな話を聞いたことがある。
女優の高畑充希(27)が主演を務める日本テレビ系ドラマ『同期のサクラ』の制作発表会見で、問題の発言は飛び出したという。
「脚本が面白いと絶賛した高畑が、4話目が面白さのピークかもしれませんけどね的なことを言って笑いを取ったんです。そのとき、なぜか後ろのほうから『死ね』とか『殺すぞ』とか、確かそんな言葉が飛んできたんです。
ビックリしましたよ、いきなりでしたから。あとで確認すると、その場に来ていた脚本家の先生が発した言葉でした。60代の先生が、若者ぶって使ってるんでしょうけど、怖いなって思いましたね」(テレビ誌ライター)
笠りつ子選手のように苦情を言うときでも、中居正広のように笑いと取ろうと狙うときであっても、「死ね」とか「殺すぞ」といった発言は慎むべきだろう。
<取材・文/薮入うらら>