美香先生に聞く!ヘアロスQ&A
小豆さんのような全頭型円形脱毛症以外にも、オトナの髪の病気はたくさんある。加齢での薄毛との見分け方をヘアロスの専門家・美香先生に聞いた。
Q ただの薄毛と病気の違いって?
A 薄毛の多くは老化現象。それ以外の症状は病気のおそれも
「毛髪の成長期は30代がピークで、それ以降は少しずつ下降。それが可視化されるのが40代です。このころになると、髪の立ち上がりがなくなり、髪が以前に比べて細く、地肌がうっすら見えるように。これらの症状は加齢による薄毛。それ以外は毛髪が何かしらのトラブルを抱えているサインです。
脱毛にはいくつか種類があって代表的なのは3つ。1つはホルモンバランスの乱れによる女性男性型脱毛症(FAGA)、2つ目は甲状腺疾患や栄養失調が主な原因といわれる慢性休止期脱毛症。3つ目は円形脱毛症で、多発型、全頭型、汎発型など重度の症状を引き起こすケースもあります。
薄毛・脱毛の原因については、最新の研究でも十分に解明されておりません。しかし生活習慣の乱れやストレス、紫外線、喫煙などが影響していると言われています。そのため、内的・外的要因を見直すことは健やかな髪の成長に重要なことなのです」(美香先生)
Q 薄毛になったらどうすればいいの?
A まずは毛髪診断士に頭皮チェックを依頼して!
「薄毛の症状は素人では判断しにくいため、毛髪診断士の資格を持った美容師を訪れ、頭皮チェックをしてもらいましょう。マイクロスコープなどを使い、頭皮環境や毛髪の状態を見ることで、現状の毛髪状態を正しく判断することができます。その結果を受けて、毛髪診断士から正しい処置をアドバイスしてもらうのがいいでしょう。
毛髪診断士のチェックが難しい人は、自宅でも簡単にできる頭皮ケアを導入して。中でも血行を促進させる入浴やマッサージは、初期の薄毛対策に効果的。血行をよくすることで毛細血管まで栄養素が行き渡り、毛細血管を通して髪の成長を促進させるからです。マッサージはシャンプー後の頭皮に育毛剤をつけ、専用のブラシで頭皮を優しくブラッシングするのがベスト。髪の成長を育む毛母細胞を活性化させます。
そして食生活の見直しも重要。なかでも亜鉛は、髪の主成分であるケラチンやタンパク質を合成する役目があるといわれています。牡蠣や海藻、納豆、ブロッコリーに多く含まれていますが、サプリなどで対応するのも◎。ほかにも毛母細胞の細胞分裂を活発にするといわれるビタミンB2やB6、発毛を促進させるといわれるビタミンE、毛髪に酸素や栄養分を送り届ける働きがあるといわれる鉄分の摂取もオススメ。
これらすべてを習慣化させているにもかかわらず症状が改善されない場合は、専門のクリニックで血液検査や頭皮検査を受けて。特別なケアをしなくても美しい髪が保てるのは10代まで。そして髪は自分が思っている以上に他人から見られるパーツです。スキンケアと同じくヘアケアにも十分力を注いで、健康で美しい毛髪をキープさせましょう!」(美香先生)
《PROFILE》
みか。毛髪診断士、ビューティープロデューサー、美容室「AMATA」オーナー。女性誌や美容専門誌でのメディア活動、講習会や製品開発など幅広く活躍。ヘアロス関連の『美髪力! 1日10秒で「キレイな私」』(双葉社)などの著書も