根気良く口に出すことが大事
夫の無神経さが男性脳のなせるわざだということを理解できたからといって、あきらめるしかないのか?
「私は“キャンペーン”と“パニック”作戦を繰り返すことで、夫の家事分担を少しずつ増やしていきました」
“キャンペーン”とは、自分が今日やるべきことを夫に知らしめること。
「今日は洗濯して干して、お昼ご飯を作って、床もワックスがけして、それが乾く間にベランダを掃除して、買い物して、夕飯のギョーザも作らなきゃ! よし! 頑張ろ!!」
押しつけるのではなく、あくまで自分で確認、点呼しているという体で言うのがポイント。そうすることで、認識できていなかった妻の家事が、どれだけ多いのか気づくようになる。
さらに、バタバタしながら「あれして、これして、もう家を出ないといけないのに、あーっ、洗濯物干す暇ないーッ!!」と、“パニック”を起こす。妻の混乱した状況を目の当たりにした夫も人の子、鬼ではないはずだから、「じゃあ、洗濯物は干しておいてあげるよ」となればしめたもの。
「ただし、1度ではできません。何度も繰り返し口に出すことが大事。そして、(夫が)手を差しのべてくれたときには、褒めそやしてください。そうすれば、そのうち、洗濯物干しは夫がやるようになりますよ」
そこまでじゃなくても、“ちょいと頼み”にスムーズに応えてくれるようになる。たくさんのタスクをしている妻から、「ゴミを捨てておいて」と言われれば比較的、素直に動けるものらしい。
しかし、その作戦で何でもかんでも夫に家事を押しつければいい、というものでもない。男性は家事をすることで、女性の6倍のストレスを感じるという。“家事ができない=男らしさ”でもあるため、家事ができるように夫の脳の機能がシフトすると、男らしさが減少することにもなる。
「ジャングルで身を守ってくれなくても、会社で出世しなくても、本棚が組み立てられなくても、男の魅力がなくなってキスをしたくなくなっても、家事を分担してくれればいいと思うなら、そうすればいいのです。それは女性の選択であり、覚悟です」
家事もしてほしいが、男らしさも失わないでほしいという欲張りな妻はどうしたらいいのか?
「どうしてもこれだけはしんどい、または、これなら夫の持ち味が生かせる、という家事を3つだけお願いしてみてください」
例えば、翌日の弁当用のご飯を仕込む、皿洗い、シャンプーなどの在庫管理といった具合だ。
「または、育児で大変な時期や夫の定年退職時に家事分担を増やすなど、ライフステージによって、変えるという手もあります」
男性ホルモンの一種「テストステロン」が出ている働き盛りの夫は、男性脳を強く使っているので、なかなか脳をシフトさせるのが難しい。また、妻も子育て中は女性ホルモンが出て女性脳を強く使っているため、この時期が夫婦間のギャップが、いちばん大きくなり、衝突しやすいのだとか。