急に支払えなくなったときのために
住宅ローンが支払えなくなったらどうする? 失業や減収など、思わぬトラブルに見舞われて、急に支払えなくなった場合に備えておきましょう。
【対処法1 売却】
ローンが残っている場合、ローンを一括返済しなければ担保がはずれず、売却できません。しかし、オーバーローンの場合、売れても残債に足りないため、差額を支払える人でなければ売却できません。そのような状態で売却をするなら、競売または任意売却となります。競売と任意売却とでは、その後の残債整理などでも大きな差が出てきます。
《競売》
●住宅ローンの支払いを滞納し続けたことで強制的に売却させられる。
●実勢価格の7割程度で売られることが多い。
●売却益は一切もらえない。
●競売にかけられたことが他人にも知られてしまう。
●残債は一括返済を求められる→多くの場合、自己破産となる。
《任意売却》
●すべて債権者の了解が必要だが、下記のようなメリットが得やすい。
●時価に近い金額で売却できる。
●売却額から引っ越し費用がもらえる場合がある。
●残債の減額、分割払い等、支払える額での返済にしてもらえることもある。
●通常の不動産売却と同じなため、破産状態を周囲に知られにくい。
◎POINT 任意売却は新たな生活を立て直しやすい方法ですが、債務者との交渉や任意売却は経験がないとうまくいかないことも。専門にしている会社や団体に依頼を。
【対処法2 所有権を制限して住み続ける】
家にずっと住み続けることができれば所有権にはこだわらないという高齢者に向きます。ただし、オーバーローンの人には難しい方法です。
《リバースモーゲージ》
家を担保にお金を借り、利息のみを返済していき、死亡したら家を引き渡すことで元金返済ができるというシステム(現金で一括返済すれば家を残すことも可能)。
借りたお金で住宅ローンを返済すれば毎月の支出が抑えられて余裕ができる。
利用できるのは55歳(金融機関により異なる)以上。
基本的に土地の評価額が融資限度なので、必要額借りられない場合も。
《シルバー返済特例》
70歳以上で返済不能になったら、それ以降は利息だけ支払い、債務者全員が死亡したら自宅を売却して残債を一括返済(または売却しないで現金で一括返済)する方法。
売却しても債務が残っていても、相続人には請求されない。
住宅金融支援機構に融資を受けていることなど、諸条件がある。
《セール&リースバック》
自宅を信頼できる相手に売却し、買い手からそのまま賃貸で借りて住み続ける方法。
所有権はなくなるがリバースモーゲージよりも多くの資金調達ができる。
条件設定がうまくいかず、追い出されるなどトラブルが起こることも。