「完璧」が求められる韓国
こうした書き込みをしているのは、自らを不幸だと考えている韓国の人たちだ。
「韓国は経済の状況がふるわず、就職できない若者が多い。華やかな芸能人は彼らの妬みの対象になってしまいます。ハラさんが最後にインスタグラムに残した、寝ながら 《おやすみ》と書いた投稿に対し、《芸能人はいいな、寝ながら金稼ぎするのか》と書き込んだ人もいました」(児玉さん)
音楽ライターのまつもとたくおさんは、K-POPはネットとの結びつきが歴史的に強いと話す。
「K-POPというジャンルができた'90年代後半は、ネットが普及した時期と重なります。日本では音源が流出しないように規制していましたが、韓国は逆。ファンが勝手に映像をアップするのも黙認していました。それを海外の人が見て魅了され、K-POPがグローバル化したんです」
このような経緯があり、韓国の芸能人はネット上でのファンとのつながりを大切にする風潮がある。
「日本では不完全なものを愛でるという文化がありますが、韓国ではアイドルにも完璧さを求めます。小さいころから養成機関で徹底的に鍛えられ、プロフェッショナルとしての姿勢を叩き込まれるんです」(まつもとさん)
過酷な環境のため、韓国アイドルの中には風土の違う日本で活動することを選ぶケースも多い。KARAも'07年に韓国でデビュー後、'10年に来日して『ミスター』で大ブレイクした。
「お尻を揺らしながら踊るヒップダンスを大流行させたKARAは'11年には紅白歌合戦にも出場。'16年に解散しましたが、日本での知名度を活かして知英さんは日本のドラマや映画に出演しています。ギュリさんもスンヨンさんも今年1月から日本で音楽活動。ニコルさんも今年3月に『関西コレクション』に出演。それぞれ活動の場を日本で広げています」(音楽ライター)
ハラさんも3月に『東京ガールズコレクション』に出演したとき週刊女性のインタビューに意気込みを語っていた。
「日本で活動を頑張ります。歌手としても、モデルもやりたいし。私は、歌手だから、アルバムを出して、もっと活動してみたいです」