「生活保護で生きるほうが賢い」
深谷の家と同じような状況が足利の自宅でも繰り返されていた。知人・Bさんはそこで見た地獄絵図を伝える。
「室内は暑く、閉め切られ、猫たちはのびていました。衰弱し、猫エイズや白血病などに感染し、死にかけている子や死骸もありました。保護された猫の中には、尾っぽも目も動かさないほどに感情を失った猫がいたほどです」
動物愛護関係者の見方は一致していて、北口容疑者は手に負えないほどの動物を飼育してしまう典型的な『アニマルホーダー』にあたるという。
そのうえ猫をエサにして、動物好きの善意を悪用していたフシがうかがえる。
「お金がない、死にそうだ、と、かわいそうな猫たちの写真をSNSにアップして寄付を募る。実情を知らない人は同情して寄付をしてしまうんです」(前出・Bさん)
「猫が人質になっている状態」
元ボランティアの1人は、そう厳しく断罪する。
「以前、彼に“働いたらどうか”と言ったら“働いたら生活保護がもらえない。生活保護で生きるほうが賢い”と。猫好きの猫のための善意の支援で自分のものも購入していました。液晶テレビにパソコン、新型のスマートフォン……」
深谷市の借家では当時同棲していた女性が猫たちの面倒をみながら昼夜仕事をしエサ代や生活費を工面していたという。
「北口は彼女に暴力をふるったことがあり顔にアザをつくり、逃げてきたのを保護したことがあります」(前出・Aさん)
交際相手はDVが原因で去り、北口容疑者はその後、SNSで支援を募る生活に。猫も次々に増え、最大200匹にまで増えていたとも。