エリート一家の悲惨な家庭内
裁判では、エリート一家の過酷な内幕が明らかに。英一郎さんには統合失調症や発達障害があり中学時代にいじめにあい、家庭内暴力がひどかったこと。
それが原因で妹は縁談が何度も破談になり、ついには自殺。さらには、うつ状態に陥った母親が自殺未遂まで起こしていたという。
以前から英一郎さんは「愚母を殺す」と母親への憎しみが強かったので、最近は被告が面倒をみることが多かったようだ。
母親は裁判で「長男のことを本当に一生懸命やってくれた。刑を軽くしてください。お願いします」と涙声で訴える場面もあった。
しかし事件から3か月後の夏ごろ、被告の妻は久々に戻った自宅で近所の住民も首をかしげるようなことを話したという。
「奥さんは“いろいろと整理しなきゃいけないことがあるので戻ってきたけど、里心がついてね。ついつい、いつくようになったんですよ”と言ってました。
確かにその後は2、3日、家を空けることはあっても、ずっと住んでいるようです」(近所の住民)
約20年前に新築したマイホームは、夫が長男を殺した惨劇の場所でもあるはずだが、それでも妻にとっては心安らぐ場所だったのだろうか。
12月20日、殺人事件の実刑判決後としては異例の保釈が認められ、熊澤被告は東京拘置所を後にした。
しかし、その足でまっすぐ練馬の自宅に戻ってくることはなかった──。