自ら“語録”を生み出す力もイマイチ

 物議を醸すキャラがテレビに出たときの見せ場は“言い争い”です。「稼げないオトコに用はない」で売っていたころの西川センセイも、よくバラエティーで共演者の熟女タレントたちから説教の集中砲火を浴びていました。西川センセイがいじめられているように見えるかもしれませんが、こうやって怒られて「すみませんでした」と謝ることで、西川センセイは「本当は素直な人だ」と思われますし、熟女タレントも活躍の場ができますから、双方にメリットがあります。

 しかし、今はテレビでもそういう演出が減っています。出演者も若い人を叱って「パワハラだ」とイメージダウンを招くのは心外でしょうから、強くものを言うことはしないでしょう。となると、お騒がせタレントは他人の手を借りずに、ネットニュースになるような“語録”を生み出さなくてはなりません。

 この点でも、加藤紗里はイマイチだったのではないでしょうか。芸能コラムニストの山田美保子センセイに「次に金づるにしたい芸能人は?」と聞かれても、彼女は「誰かな~?」と答えられないでいましたが、このテの質問がされることは想像がつきますから、あらかじめ準備しておくか、即座に答えるかしないと、ネットニュースにはならないでしょう。

炎上タレントから出世する方法

 結婚の際、保証人になった演出家のテリー伊藤は同番組で、「加藤紗里は、自分を悪く見せる術を持っている」と評価していましたが、悪というのは、極めると善と同じかそれ以上に人気を得られるものです。今のところ、彼女は善でもなく、かといって悪と言えるほどの華もなく、中途半端な存在におさまっているように感じます。

 もし加藤紗里が「オトコはカネ」路線で行くのなら、「論より証拠」ということわざのとおり、有名人か芸能人の高収入な恋人をつくるのがいちばんではないでしょうか。本当に金持ちに愛されていると証明することで、世間の評価は変わります。

「あの人、最初はヤバいと思ったけど、お金持ちの恋人が途切れなくてすごい。秘訣があるなら、教えてほしい」

 女性たちにそう思わせることができたら、彼女は単なる炎上タレントから、頭ひとつ抜けられるのではないでしょうか。


仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」。