日本人とイギリス人の繋がるところ
──物語の舞台となるお城“ハイクレア城”については、いかがですか?
渡邉 スクリーンにお城が大きく映るたびに感動しました。このお城を訪れるツアーがあるみたいで、すごく人気があるそうですね。私も一度は行ってみたいものです。
──パレードのシーンも印象的でした。
渡邉 いち伯爵家としてあれだけの催しをして、みんなが英国の国旗を持って、真剣に国旗と国に対する尊敬の念を払う姿に、日本人とイギリス人っていうのはつながるところがあるんだなと思いました。先日の、皇居前にたくさんの人が集まった(新年一般参賀)状況を見ても、何か共通点を感じましたね。
昔、わたくしが日テレにおりましたころ、何か皇室のことでわからないことがあると、“英国王室をお手本に”って原稿に書いとけば間違いないってよく言われたのを思い出しました(笑)。
日本はいろんな海外と交流があるけど、日本にも皇室があって、イギリスにも古くから続いた王室がある。独特な文化を持つ国同士だからこそ、互いに理解しやすいというか、親しみを持ちやすいのかもしれませんね。
──劇中には、強く生きる女性たちの姿も描かれています。
渡邉 今、イギリスはEU問題で揺れていますが、振り返って考えてみますと、世界の近代国家で初めてとなる女性の総理大臣マーガレット・サッチャーを生み出した国ですから。イギリスの女性というのは、どんなところの奥様にしても、どんなところの料理長にしても、向上心というものをすごい持ってるんですよ。
そういったところも、お手本にするべきところかなと。『ダウントン・アビー』に出てくる女性たちも、とても向上心が強い方が多い。そういう面からも、とてもいい映画だと思いますし、若い人にも見てほしいなと思いました。