店側のミスが火種となるケースもある。スパゲティ店でアルバイトとして働いていた20代の女子大生は、
「衛生環境は整えているつもりでしたが、お客様の注文した商品に髪の毛が入ってしまいました。もちろん、こちらの不手際だったので、謝罪と返金を丁寧に行ったつもりだったのですが、お客様からは“それだけか”と怒りがおさまらず、その後の対応をどうすればいいのかわからなくなりました」
ある調査では飲食店で外食をした際に髪の毛が入っていたことがあるという人は55・6%にものぼったという。異物混入を起こさないため、飲食店ではネットや帽子を着用するなどの対策は必須になっており、最近ではこんな対策まで。
「ネットや帽子を使用しても、襟足が出てしまえば意味がありません。最近では、ケオチノンという落下防止のために髪の毛を固める商品を髪にふりかけています。4時間ほどすれば手ぐしで元に戻るので、私たち女性にとっても使いやすいですね」(前出・20代アルバイトの女子大生)
「詐欺だ!」と怒鳴り散らす50代男性
カスハラの標的は決して女性だけではない。惣菜屋さんで勤務していた40代の男性社員は、危うく警察ざたになりそうなクレームに遭遇したという。
「うちの商品はすべて税抜き価格で表示しているのですが、50代くらいの男性のお客様から“表示されている価格と異なっている。詐欺だ!”と大声で怒鳴られたんです」
事情を丁寧に説明したが“俺は表示されていた価格で買うことに決めたんだ!”と宣言する始末。
「ちゃんと“税抜き”の記載もしていましたよ。でも、こちらの話をそもそも聞いてくれず、対応に苦労していたので警察を呼びますと伝えたところ、しゅんとなってお帰りになりました」
このようなケースの対策には、ダミーでもいいので防犯カメラ設置や防犯カメラ作動中のシールを貼るなどが効果的だという。