尻を叩いてでも夫を外へ出して
「やりたいことを見つけるには、とにかく外へ出ていろいろな人に会ってほしい。すると人とのつながりや興味の範囲が広がって、やりたいことが見つかるきっかけになります。もし夫が家に閉じこもっていたら、尻を叩いてでも外へ出してください(笑)。男性は会社の外の世界を知らないし、同僚以外に友達もいない。
だから定年後に頼れるのは奥さんだけという人も多いのです。私のシニア向けのキャリア講座にも、『妻にすすめられた』という男性がよく参加しますし、もっと気軽に趣味を楽しんだり、散歩しながら地元の人たちと会話するだけでもいいので、奥さんからさりげなく外へ出るようすすめてあげるといいですよ」
また、育児や介護を終えた女性の中にも、「もう1度働きたい」と考える人はいるだろう。松本さんは、「労働力不足の今、シニア主婦は貴重な戦力。ぜひ社会に出て」とエールを送る。
「専業主婦でブランクがあっても、シニア女性なら接客業やサービス業で引く手あまた。特に飲食店やコンビニは深刻な人手不足ですから、喜んで雇ってくれます。それに今は働き方も柔軟になり、『朝の3時間だけ』『夕方の2時間だけ』など、自分のペースで働ける。
お金は入るし、職場で友達もできるし、時間も有効活用できるし、いいことずくめです。元気なうちは何歳でも働くのが普通になりつつある今は、シニア女性にとっていい時代なんですよ」
ライターは見た!著者の素顔
IT企業に20年以上勤めた後、48歳で起業した松本さん。「40代になると、会社勤めもつまらなくなっちゃって(笑)。そろそろ何か自分がやりたいことをやろうと思ったんです」。
シニア世代の支援事業を選んだのは、「私自身が団塊世代で、周りを見て“このオジサンたちは定年を迎えたらどうするんだろう?”と思ったから。ですから私は、『やりたいことがない』というシニアには、『自分に関係のあることから考えたらいかがですか』とアドバイスしています」
(取材・文/塚田有香)
まつもと・すみこ 早稲田大学第一文学部東洋史学科卒業。IT企業で広報・