突然倒れて吐血することもある
「これまでに吐血の報告はありません。咳が出て、ひどいと37・5度以上の熱が1週間以上続き、意識がなくなるといったところ」
と前出の佐藤院長。
アフリカで発生したエボラ出血熱の症状と混同した誤情報の可能性がある。怖がらせる目的で流したのであれば、不謹慎きわまりない。
「エボラ出血熱はひどいと喀血(かっけつ)します。喀血とは、肺から血が出ること。吐血は胃から血が出ることなので異なります」(佐藤院長)
温度スキャナーで感染者はわかる
「サーモグラフィーでは熱がある部分は赤く映るので、熱を持っている人はわかります。しかし、感染した人がわかるわけではないですよ」
と前出の佐藤院長。
運動直後やカイロを貼っているケースなど、感染者と区別するのは難しいだろう。
風邪やインフルエンザの可能性もあるので、さらなる検査が必要だ。
中国発表の感染・死者数は本当か
前出の富坂教授は「故意に過少発表しているとは考えにくい」と指摘する。
「問題は診察が追いついていないこと。受診前に感染して亡くなった人もいるのではないか。中国では近くに病院がなかったり、仕事を休めず重症化したり、闇販売の期限切れの薬で治そうとする人もいるので実際はもっと多いだろう」。格差社会の問題か。
子どもの尿を飲めば予防できる
中国で広まったようだが、前出の佐藤院長は「ありえない」と断言する。
「尿は体内で不用になったものを排出しているだけ。免疫力を上げることはありません。以前、朝一番に出た尿を飲めば健康になるというような健康法が流布されましたが、医学的根拠はありません」
民間療法などにも注意が必要だ。
アルコール、塩素を身体に吹きかけて殺菌できる
アルコールには殺菌効果がある。しかし……。
「手によくもみ込んで初めて効果があるもの。吹きかけるだけではほとんど効果は期待できません。また、塩素(次亜塩素酸)を人体に吹きかけることは健康上の問題があります」(前出の佐藤院長)
塩素をバケツに入れ、コップや食器などを洗う用途ならば効果があるそうだ。