中学の卒業アルバムの写真を見てもわかるように、2人ともなかなかイケメンでさわやかな印象を与える。同級生は「鼻の下にホクロがあるのが弟」と見分けていた。
ところが、同級生の女性は「2人ともそんなにモテなかった」と話す。
「兄のほうが色白でややスタイルがよく、彼女がいた時期もあった。弟は兄ほどまじめじゃない。双子のせいか、すごく仲がよくて、いつも一緒だったからあまり友達はいなかった。卒業後は2人とも高校に進学したはずだけど、ここらの若者が熱くなる毎年10月の『泉州だんじり祭』に参加せえへんから、消息は入ってこなかった」(同・女性)
30分でジョッキ10杯の酒豪
少なくとも、中学時代はロリコンをにおわせるような兆候はなかったという。
実家近くの女性住民によると、幼いころから両容疑者を育てたのは年若い母親だった。夫と離別後、女手ひとつで仕事と家事を両立。双子はそんな母親の背中を見て、非行に走ることもなく、まっすぐに成長したはずだった。
「2人とも若いころから働きに出て立派だと思っていました。お兄ちゃんはナイーブな性格が災いして職場の人間関係などに悩み、勤め先を変えたこともあったみたいですが、そういうときは何も言わなくても弟さんが“以心伝心”で励ましてあげていました。
2人そろってお酒が強くて“いくら飲んでも酔わないんだ”と言って、ものの30分でジョッキを10杯ぐらい飲み干しちゃうんですって」(近所の住民)
酔わないほど酒に強かったとすれば、亮太容疑者の「覚えていない」とする供述はあやしくなってくる。
一卵性の双子には、不思議としか言えない同調性があるとされてきた。例えば、たまたま同じ色や模様の洋服を選ぶことがあったり、一方の喜怒哀楽の感情がもう一方に伝染したり……。
前出の中学の同級生男性は、10数年前に勇生容疑者からこんな話を聞いたことがあると明かす。
「きょうだいで仲がいいよね、みたいなことを言ったら、勇生容疑者は“見たいテレビ番組も、食べたいメニューも一緒のことが多いんだよ”と笑って教えてくれました。妙に納得したことを覚えています。でも、この事件は理解できません」
被害女児は、両容疑者の豹変にどれだけ傷ついたろう。2人ともそれを想像できず、理性がまったく同調されなかったのが情けない。