(6)生活:「役割を持たせる」で自己肯定感UP
学校が休みの生活では、寝起きのリズムを崩させないことも大事だが、
「せっかく毎日家にいるわけですから“家庭の一員”としての役割を子どもにも持ってもらいましょう。お風呂掃除、お洗濯、お料理でも何でもいいから担ってもらう。仕事を果たすと、そのアクションを家族から“ありがとう”と感謝されるわけですね。家族との交流の中で、自分の存在や行為が認められることは、子どもの自己肯定感につながるの。よりよい家族になれるチャンスだと思って!」
(7)メンタルケア:ママから子どもに「グチこぼして共感力」
こうした中で、子どものメンタルケアも、やはり大切。注意したいのは子どもの年齢による、ため込むフラストレーションの質の違い。
「小学校の低中学年は学校や友達といった“居場所”がなくなってしまったフラストレーションから、心が不安定になりがちなんですね。急に“赤ちゃん返り”したり、おねしょするようになったり寝言を言うようになったり……。そういうときは、ママから話をするのではなくて、子どもの話をとにかく聞いてあげる。“あなたの居場所はここよ”と、受け止めてあげてください」
思春期の子どもは、
「男の子も女の子もフラストレーションをためがち。それを発散しているのが、男の子なら野球やバスケなんかのスポーツや吹奏楽やバンドだったりの文化活動で。女の子なら、スポーツ以外にもポエムを書いたり、アイドルを追っかけたり。これを心理学的には“昇華”というんですけれど、そうやってモヤモヤを外に出すことで大きく成長していくんです。ところが学校へも行けず友達にも会えず、運動もできず、それどころか外へも自由に出かけられないとなると、その営みが止められてしまうんですね」
するとホルモンバランスも崩れ、心と身体をコントロールできなくなるおそれも。
「東日本大震災のときにも、こうしたストレスから子どもをどう救うか、ということが盛んに議論されましたけれど、今回はよりメンタルケアが大切。ウイルスがいつ消えるのか終わりが見えないですから。思春期だとママもパパも子どもに踏み込みづらいものですが、そういうときは、子どもに“コロナのせいで会社がこんなに大変で……”とグチをこぼしちゃいましょ。弱みを自分から子どもに見せて、それを家族みんなで共有する。親子で共感しあえる場をつくることが、いちばん大事なんじゃないかしら」