60代 謎の体調不良は芸術のパワーに救われた

 いくつになっても、新しいことに挑戦する大切さを改めて実感しています。還暦を迎えたころ、“俺も17歳から働いてきて、いい年になったから、仕事はセーブしようか”と思ったことがあったんです。そうしたら、めまいだ吐き気だと、原因不明の不調があらわれるようになって。

 そんなとき、ある芸術家の姿を見て感銘を受けたんです。フレスコ画の第一人者の方が日本にいらして、同年代なのに、作品からも、ご本人からも、すごくパワーを感じました。“休んでいる場合じゃない。自分も頑張らなきゃ!”と思ったとたん、めまいなんて、どこかにふっとんじゃった(笑)。こういう気力が、人間の肉体も精神も作りあげていくんですね。

断捨離後、すっきりしたご自宅にて。「断捨離は、体力と気力のあるうちにやらねばと思いましてね。ただ冷蔵庫も捨ててしまったのは不便で、やりすぎたかな(笑)」 
断捨離後、すっきりしたご自宅にて。「断捨離は、体力と気力のあるうちにやらねばと思いましてね。ただ冷蔵庫も捨ててしまったのは不便で、やりすぎたかな(笑)」 
【写真】高橋英樹さん手作りの『ケールのサラダ』と、断捨離しまくってスッキリした自宅の様子をご紹介!

増えすぎた家のモノは“断捨離”ですっきり

 最近、大々的に自宅の“断捨離”をしたんです。娘の真麻に、「こんなにモノを残されても、私にとってはゴミだから」と言われまして(苦笑)。確かに、削り節器が4つも出てきたりしましたからね。「いつかは使うかも」の、“いつか”はこないと割り切りました。

 家具や家電も含め、33トン分もの物品を処分。モノがなければ、探し物がなくなりますよね。棚に高く積み上げることもないから、地震で落ちてくる心配もない。何が本当に必要かも見えてきました。部屋がきれいになったら気持ちもすっきりして、精神的にも健康になった気がします。いわば、あの大量のモノは、家の悪玉コレステロールだったんですね(笑)。ただ、冷蔵庫も捨ててしまったのは不便で、やりすぎたかな(笑)

(出典:2020年3月13日発売『NHKガッテン!健康プレミアム』より抜粋)

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【プロフィール】
高橋英樹 ◎1944年、千葉県生まれ。1961年、日活に入社し、映画デビュー。現在は、バラエティー番組などでも幅広く活躍