外国人や街頭ロケ系は苦戦
さらに、観客のリアクションが大きな比重を占める演出にはこんなものもある。
「『しゃべくり007』や『A-Studio』など、大物芸能人やイケメン俳優なんかが登場する演出は特にそうですね。登場した瞬間の“キャーー!”は大事です。共演者が驚くこともできますが、やはり大勢のお客さんの歓声とはまた違うので、本人もどうリアクションとっていいか戸惑うかもしれません。『月曜から夜更かし』や『アメトーーク』など、ときにお客さんにふったりする番組もありますが、それはやめればいいだけ。そこを核とする番組ではないので、問題はないでしょう」(同)
このような状況は視聴者側も十分、理解したうえでの視聴となるため、それほど心配することもないのではと、この放送作家は語る。
現在の状況がどのくらい長期化するかは全く予測の立たない状況が続くが、無観客収録以外にも、新型コロナの打撃を受ける番組スタイルがあると、前出の芸能記者は言う。
「『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京)をはじめとした、来日する外国人にスポットをあてる番組は、間違いなく直撃です。さらに、繁華街にも人が少なくなり、不要な接触も控えたほうがよいとされる今では、街頭ロケ系の番組も作りにくいです」
これには前出の放送作家も同意見だ。
「総集編などで少しの間はなんとかなりますが、いろんな手を使ってしばらくしのぐしかないでしょうね」
行きたくても学校に行けない子どもたちの楽しみでもある、テレビ番組。せめてテレビの中だけでも新型コロナを忘れさせてくれるよう、無観客でも楽しめる番組作りに期待したい。
<取材・文/渋谷恭太郎>