あの木村拓哉と工藤静香の長女・Cocomiが高校卒業のタイミングで芸能界デビューするというニュースが飛び込んできた。いきなり『クリスチャン・ディオール』のアンバサダーに就任し、ファッション誌『VOGUE』の表紙を飾るという。『東スポ』には《父、母、妹合わせて“二十一光”を身にまとったオーラ》などと無茶苦茶なことを言われているが、ついに一家そろって芸能界に身を置くことになったわけだ。
『NEWSポストセブン』ではさっそく、Cocomiのデビューのきっかけを報じている。かねてからフルート奏者として大会で好成績を収めていた彼女が1月上旬に都内のライブハウスで演奏したとき、“奇跡の瞬間”が訪れたのだという──。
《耳が肥えたお客さんが多い老舗のステージだったのですが、あるオーケストラグループのステージでCocomiさんが演奏していたんです。ディオールの関係者もその場に足を運んでいたようです。過去にもCocomiさんの演奏を聞きにきていたようで、その美貌と音楽性に目が止まり、オファーしたようです》(ファッション誌関係者談)
いや、こんなバブル時代のアイドルのごときフィクション性MAX“トレンディー・デビュー”を誰が信じるのだろうか……。Koki,がデビューして間もなく『ブルガリ』アンバサダーに世界最年少で就任、そして長女もいきなり『ディオール』のアンバサダーに。もはや“アンバサダー”がハイパーメディアクリエイターと同じくらいよくわからない肩書にみえてくるのは私だけか。
普通のタレント以上に“記事化されてきた”人生
しかし、Koki,と酷似したデビュー方法に、“何らかの力”が働いていることに疑問を覚えないほうがおかしいのかもしれない。ネットニュース上では彼女のデビューに難色を示す声が。
《もうちょっとマシな売り出し方思いつかなかったのかなあ・・・ごり押し感が出すぎて引く》
《木村拓哉は、モデルとして努力もないのに2人とも急に華々しく出ることに対してどう思っているんだろう》
Koki,のときもそうだったが、毎度ここまで叩かれるのには、各メディアでたびたび「工藤静香がプロデュースしている」と報じ続けられている背景があるのだろう。
ただ、これまでスーパースターだった木村家の歴史をひも解くに、子どもたちをめぐっては、「工藤が木村と結婚したいがために“計画妊娠”を行った説」が流されたことをはじめ、Cocomiの出産が帝王切開だったときの様子が“生まれて間もない状態の写真”つきで報じられるなど、プライバシーもへったくれもあったものじゃなかった。当時の報道によると静香は《心美がものごとを理解できる年齢になって、万が一、この記事や写真をみたら、どんなに傷つくんだろう》と泣いて怒ったという(『女性自身』'02年5月14日号)。
木村家への報道はとどまることなく、Cocomi、Koki,ともに「初々しい登校シーン」を撮られたり、「節分の日に庭で30分間、豆まきする姿」が事細かに伝えられたりもした。この記事で証言している“近所の主婦”とやらも30分もずっと外から見守っていただなんて相当の奇人ぶりである。
Cocomiにいたってはバイト先についてや出演した音楽コンクールのことについても詳細に書かれてきた。芸能人の子どもとはいえ、人生を普通のタレント以上に記事化されてきた一般人はいないだろう。多少の七光り(二十一光)というか、「親のコネで何が悪い」が許されるの立場ではないか。
そして、非難されている「Koki,と同じデビュー方法」についてだが、現在の彼女の活動をみると、昨年末ごろから『e-maのど飴』(UHA味覚糖)CMキャラクターを務めていることがわかる。
これまでアジア圏など海外を中心にモデル活動してきたKoki,が、なんと“のど飴”というわれわれの生活の身近な次元にまで仕事の幅を広げてきているのである。あのミステリアスだった彼女が、新味『ローズマンゴー味』の制作に携わったようで、公式サイトには《ファッションモデルKoki,(コーキ)がプロデュースしたe-maのど飴。味の選定からデザインまで、全て監修していただきました》とある。
はじめ“ゴリ押し”だといわれてきた次女Koki,も着々とわれわれの生活に、自然となじみはじめている。Cocomiのデビューが「次女とほぼ全く同じ」手法なのも、それで“成功を収めたから”ではないだろうか。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉