【元気なうちに終活】
「おひとりさまが元気でいるうちは何の問題もありません。でも病気になったり、倒れたり、認知症になってしまったら? たとえ身内であっても、あなたのその後の人生を決めてもらうことには納得いかないでしょう」
また、できるだけ人に迷惑をかけたくない気持ちもあるはず。ゆえに、おひとりさまこそ終活をすべきだと木谷さんは話す。
「まずはエンディングノートです。市販されているものには、自分史を書くページなどもありますが、割愛していいです。おひとりさまが記すべきは、自分に何かあったときの緊急連絡先。そして、自分の財産。どこにどのような財産がいくらあるかを、まとめておきましょう」
財産の把握は、今後の生活設計にも役立つうえ、何かあったときに自分の財産を有効活用されやすくなる。
「保険も見直しを。おひとりさまなら、親の面倒を見ている人以外は、死亡保障は不要でしょう。入院や手術などに備える医療保障も、今の生活を圧迫するほどの手厚い保障は必要ないでしょう」
日本には、高額療養費制度などがある。入院や介護が必要になっても、一般的な年金生活者なら1か月あたりの自己負担額は5万7600円以内ですむ。
「生前整理も元気なうちに進めておくべきです」
自分にとっては大事なものも、残された人にとっては残念ながらゴミでしかない場合も……。
「自分の死後、きょうだいや親戚などを困らせないよう、自分が納得のいく方法で処分・整理しておきましょう」
また資産価値のあるものは、その旨をエンディングノートに記しておくといい。