自分の意思を書面で表明
Q.老後のお金、足りないかも?
A.年金額や老後に必要な資金を計算し、“今から貯金しても全然間に合わない”とパニクっている人も、あきらめないで。
「今からできることはいくらでもあります。真っ先に考えるべきは、ローンや借金の返済。これらが退職後も残っていると、年金生活を圧迫します」
同時に支出を減らし、生活をダウンサイジング。通信費や保険などの見直しも忘れずに。
「体力、気力ともに充実していれば、たいていのことは大丈夫。65歳以降も働き続ければ、収入を得ながら生活することができます」
Q.財産はどうしておくべき?
A.自分の死後、財産が眠ったままになるのは残念なこと。自分の財産をリストアップしておけば、死後の整理をしてくれる人の負担を減らすことができる。
「預金口座の場合、届出印や通帳の保管場所、届け出住所もあるといいですね。保険なら、証券番号や保険証書の保管場所も」
ネット銀行の口座のIDやパスワードも忘れずに。
Q.倒れたとき連絡してほしい人が。どうすれば?
A.倒れたときの入院手続きや、死亡時の知人への連絡は、家族とともに暮らす人であれば家族にやってもらえる。しかし、おひとりさまはそうはいかない。用意しておきたい緊急連絡先は2種類。
「1つは、自分が倒れて入院したときなどに駆けつけてくれ、諸手続きをサポートしてくれる人です」
できれば近くに住む親戚や親しい友人に事前にお願いしておきたい。
「2つ目は、自分の死亡を知らせてほしい人です。連絡先は氏名、住所、電話番号、関係性まで書きましょう」
紙のリストを財布に入れて持ち歩いたり、家の中のわかりやすい場所に貼っておくといい。
Q.延命治療、してほしくない場合は?
A.医療現場では患者を少しでも長く生かそうと延命や蘇生に力を尽くす。もし“治る見込みがなければ延命治療は受けず、痛みの緩和だけしてほしい”と考えているなら、その意思を書面などで表明しておくといい。
日本尊厳死協会の『リビング・ウィル(尊厳死の宣誓書)』を使えば、細かい意思表示も可能。「ただ、書面をしまい込んでいては意思が伝わりません。あらかじめかかりつけの医師やケアマネジャー、弁護士などに託しておきましょう」