中小企業の倒産が相次ぎかねない
厳しい話はまだまだ続く。以下の表を見てほしい。コロナショックの影響により多くの業種で業績が悪化するだけでなく、廃業・倒産するところも出てきている。
【多くの業種でコロナ不況の影響が】
《観光業》
●中国人観光客の減少で旅館・ホテルは価格崩壊を起こし、京都にはピーク時の3分の1以下の価格になっているホテルも
●愛知県や福島県の温泉旅館が経営破綻
《運輸業》
●JR西日本は運輸収入45.9%減少(3月1~7日・前年比)
●バス会社51社の1~4月の予約1万1000件がキャンセル
●観光船のルミナスクルーズが民事再生法を申請
《エンターテイメント業》
●コンサートやスポーツの試合などの中止が相次ぐ
●選抜高校野球は中止、大相撲は無観客で実施
●北海道のイベント会社倒産
《外食産業》
●飲食店には個人事業主が多く、資本面で体力が弱いところが多い
●北海道のコロッケ製造販売会社が倒産
●ラーメンチェーン「幸楽苑」4億円の赤字(2020年3月期)
《小売業》
●全国の百貨店の3月1~14日までの売り上げが去年の同時期より43%減少
●大阪のアパレル会社が民事再生法を申請
《製造業など》
●中国生産の停滞で部品が入手困難になり製造業の6割に影響あり
●建設業では中国の建材生産がストップしたため工事が遅延
●東京のアミューズメント施設運営会社が倒産
「コロナ騒動の当初はインバウンド(訪日外国人旅行)の激減によって観光業が打撃を受けましたが、3月に入り国内でも感染が拡大。休校要請やイベント、外出の自粛要請を受けて経済活動がマヒ状態になりました。
今回のコロナショックが、金融危機から始まったリーマンショックと違うのは、国内消費の縮小によってダメージを受けるのがサービス業を支える中小企業だということ。早急にコロナ騒動が終息しなければ、資金繰りに困った中小企業の倒産が相次ぎかねない。それが最大の懸念です」
民間シンクタンクの大和総研は2月末、新型コロナの感染拡大で個人消費が2~5月の4か月間で3・8兆円程度減るという試算を発表。同じように消費の自粛が広がった東日本大震災による試算額2・6兆円を超えるとした。