かつて世間の注目を集めた有名人に、「あの騒動の最中、何を思っていたか?」を語ってもらうインタビュー連載。当事者だから見えた景色、聞こえてきた声、そして当時、言えなかった本音とは……。第8回は1984年、松田聖子に憧れて芸能界デビューした大西結花。1986年に放送された『スケバン刑事Ⅲ』で浅香唯らと演じた風間三姉妹で大ブレイクするも、所属事務所のトラブルに巻き込まれてしまう……。さまざまな経験を経てつかんだ幸せとは―?

「いい時代というか、めちゃくちゃな時代でした」

 人気ドラマシリーズ『スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇』の“折鶴の結花”役で一気にブレイクした大西結花。女優のイメージが強いが、もともとは松田聖子に憧れ、歌手を目指していたのが芸能界デビューのきっかけ。

「ミスコンでスカウトされドラマでデビューしましたが、松田聖子さんのようなフリフリな衣装を着て、かわいい曲を歌うのが夢だったんです。女優デビューの翌年に歌手デビューもさせてもらったのですが、フリフリとはほど遠い衣装。デビュー曲『アラベスク・ロマネスク』はアイドルソングとはかけ離れた曲調で、私がやりたかったのはこれじゃないなと思いながら、淡々とやっていました」

台風の中で全裸で撮影した10代

 歌手デビューした1985年には相米慎二監督の映画『台風クラブ』に出演。出演者たちの体当たり演技と思春期の少年少女たちの脆さを描いた作品は高く評価され、大西は『第7回ヨコハマ映画祭』で最優秀新人賞を受賞。

「劇中で台風の中、みんなで全裸になる……というシーンがあるんです。実際は肌色の肌着を着て演じたのですが、それでも10代の多感な時期に男の子もいる中でそういうシーンを演じなきゃいけないのは本当につらかったです。長野県に寝泊まりして撮影したのですが、出演者もスタッフもともに合宿しているような毎日で、過酷な現場でした」

 その翌年には『スケバン刑事Ⅲ』に出演。一気にスターダムを駆け上がることに。