「初代は斉藤由貴さんがされていましたが、私たちは3作目。まさか自分が演じることになるとは思っていなかったですね。忍者の血を引く者が刑事として戦う。しかも私は、折り鶴を武器に悪を退治すると聞いたときは、それが武器なんだ。どうやって戦うんだろう〟と考えちゃいました。実は怪力で、すごく重たい鶴を投げてやっつける……という自分なりの裏設定を作ったりして楽しんでいました(笑)」
主人公を演じた浅香唯とはデビューが同期だったため、共演前から顔見知りだった。
「当時は携帯がなかったのでプライベートで連絡をとり合って遊ぶことはなかったけど、歌番組など同世代のアイドルたちが会う機会は多かったので、みんな仲よしでした。逆に後輩の中村由真ちゃんは先輩である私たちにいじめられると思って、最初はかなりビクビクしていたみたい(笑)。でも『スケバン刑事』も撮影が過酷すぎて、結束力は自然に強まっていきましたね」
アクションシーンも自分たちで演じることが多かったため、撮影期間中は生傷が絶えなかったそう。
「今みたいに、写真をパソコンで修正できない時代だったので、撮影期間中はアイドルなのにミニスカートなどの肌を露出する衣装が着られなかったほど。真冬の海で溺れかけるというシーンがあったのですが、引きで撮影するシーンは周りにつかまるものが何もなかったので、本気で溺れかけて。だからあのシーンは演技ではなくリアルなんです。過酷な撮影を経験したおかげで、少しのことでは大変だと思わなくなりました」
事務所社長が多額の借金を残して失踪
順調に歌手や女優活動を行っていたが、1998年に事件に巻き込まれてしまう。当時、所属していた事務所の社長が多額の借金を残し、消息不明になってしまったのだ。
「当時の週刊誌やスポーツ紙にいろいろ書かれましたが、本当に失踪した理由を知らなくて。現場マネージャーも私も報道で知ったぐらい。逆にマスコミの方に状況を教えてもらっていました」
社長の失踪から間もなく、大西も連絡がとれなくなったことで、一緒に失踪したという報道も出たが……。