東京都の“逃れよう”とする姿勢
それでは感染防止のためにネットカフェをクローズした意味が全くない。東京都はビジネスホテルを2000室確保して、ネットカフェから追い出された人たちを無償で泊まらせると発表したのではないか。
そもそも元からその無低を家として住んでいた高齢の人たちのところへ、もしや無症状で感染しているかもしれない新規の若い人たちを送りこむことは、感染リスクを高める最悪のやり方だ。クラスターになりえる。
「そうです。コロナ感染拡大を防止するためにネットカフェへの休業要請が出て、ネットカフェから出てきたみなさんが福祉事務所に行くわけですが、逆の結果になっています。
なぜ、そんなことが起きるのかは、東京都が23区や市の福祉事務所に『一義的に無料低額宿泊所を使うべし』という通達をしているからです。感染拡大を止める気があるんでしょうか? ビジネスホテルを確保しているというのに、そこを使わせない。意味がわかりません。
相談者からのSOSは日に日に切迫してきています。そこで私たちが何度も、何度も、何度も同行するわけですが、この動きを増やせば増やすほどに、感染は拡大します。そのリスクを何倍にも膨らませます。日本の医療にも、経済にも与える影響は甚大です」
そこで『つくろい東京ファンド』代表の稲葉剛さんが東京都へ強く
しかし、予断は許さない。“困難と判断した場合は”とか“可能な限り”とか、逃れようとする姿勢が端々から見え、そこに“無低”がある限り、なんとしてもそれを利用しようとするんじゃないか。
われわれ一般の都民からしたら、なんでそんなことをしたいのか全く意味がわからない。福祉事務所とは、いま困ってる人を助けるのが仕事だと思い込んでいたが、そうじゃないのか? せっかく泊まってもらうためのビジネスホテルを用意したのに、なんで使わないんだろう? ただ「やりました」感を出したいだけなのか? しかも、いざビジネスホテルに泊まれても、それは5月6日まで、それ以降はまた無料低額宿泊所へ逆戻りしろと福祉事務所の窓口担当者は迫るんだという。あまりに、ひどい話である。
「それならばアパートへ転宅をさせてくださいと話を進めますが、もう、いちいち闘わなくてはならない不毛さにウンザリします」
小林さんとスタッフは、すでにクッタクタだ。家にいなければいけないこの期間、家にいるために取られたネットカフェ休業の措置から、逆に多くの人が東京中を駆けずり回らなくなっているなんておかしい。すみやかに全員をビジネスホテルに移動させてあげてほしいと強く願う。