不安を感じる人には譲渡しない!
慎重になる理由は明確で、
「猫は人の監視のない密室で飼われるんです。だから虐待もすごく多いんです」(袈裟丸さん)
という被害を避けるためだ。前出・今津さんも、
「直接会えないなど絶対に姿を現さない人は注意です。後ろめたい人は自宅を教えようとせず、友人宅を借りて、そこを自宅のようにみせかけた人もいたそうです」
とし、SNSなどで個人間譲渡をする人に対し、
「不安を感じる人物なら、絶対に譲渡を断ってください。無責任な人は、引き取った後も無責任なままです。命の譲渡なんです。安易に決めず、慎重に決めてほしい。リセットはききません。責任を持って里親を探してください」
と声を大にする。
「むやみに命を消そうとしている人間がたくさんいます。里親詐欺の連絡をもらうたびに苦しくなります。条件が厳しくても、理解して引き取ってくれる人は必ず見つかります。焦らないでほしい」(前出・愛護団体関係者)
と里親探しをする人に現状を訴えかける。
ボランティアを装い、猫を集める詐欺一味、転売屋に引き取り屋、虐待常習者……有象無象の詐欺師がのさばる『里親詐欺』。こうした悲劇は日々起きている。
保護活動に取り組む男性は次のように力説する。
「特に虐待犯は反省はしません。動物愛護法違反で逮捕されていても、再び譲渡会場に現れたり、猫を探しているやつもいるようです」
虎視眈々と狙い、言葉巧みにだましを続ける。また、
「身分証明書を偽造したり、わざわざ女装して猫をもらいに来た男性もいました。家族ぐるみでだまそうとする人もいます。もし被害に遭ったら、SNSなどで拡散してほしい。本当につらいと思いますが、注意喚起が次の被害を防ぐことにつながるんです」