禁煙をめぐって夫婦の溝が明らかに
新型コロナウイルスの感染者のうち、喫煙者は重症化リスクが高いというニュースを萌子さんがネットで見たのは4月上旬。奇しくも喫煙者だった志村けんさん逝去の報が駆け巡ったのと同時期なのでショックを受けた人も多いでしょうが、萌子さんも例外ではありませんでした。夫は1日に2~3箱も消費するヘビースモーカー。
「いつどこで感染するかわからないし、あなただって私に何かあったら困るでしょ? タバコをやめてください」
萌子さんは一つ屋根の下で副流煙を吸わされることに恐怖を感じ、そう頼んだのです。夫は「ああ、わかったよ。こんなご時世だからな」と二つ返事で承諾してくれたのですが……。
それから3日後。萌子さんが帰宅すると部屋中にタバコの煙が充満していたそう。萌子さんは「禁煙するって約束だったでしょ!」と詰め寄ったのですが、夫は「お前の前で吸わなきゃいいんだろ!? 俺は(コロナウイルスが)うつらないから関係ない!」と反論。感染して重症化する危険より喫煙による快楽を取るような相手に、何を話しても無駄……と萌子さんは夫を再度、説得するのをあきらめ、3台の空気清浄機を購入し、各部屋に設置したのです。結婚9年目で、コロナウイルスへの対応をめぐって夫婦間の溝が明るみに出た格好です。
長年、萌子さんは副流煙を吸わされ続けたので、今さら夫に禁煙をさせても大差ないのではとも思われますが、萌子さんはネット上で気持ち悪くなるほど大量のコロナニュースを浴びたせいで精神的に追い込まれていました。何かしなければ落ち着かないという気持ちもわかります。
共働きなのに家事はすべて妻の担当
夫の気晴らしはタバコだけでなく、パチンコ、キャバクラ、そしてゴルフ。しかもキャバクラ嬢の整形前と後の写真を自慢げに見せびらかすような悪趣味の持ち主。典型的なダメ亭主で好き勝手にやってきたそうです。それでも萌子さんが夫を大目に見ていたのは、自分の小遣いで遊んでいたからです。萌子さんの貯金を使い込んだり、カードローンに足を突っ込んだり、親戚からお金を借りたりするような破滅的な遊び方をしているわけではないので、萌子さんも今すぐ大事になるわけではないと考えていたようです。
萌子さん夫婦は、それまでどのような結婚生活だったのでしょうか?
「主人はいつも非協力的でした。週末はともかく、平日は家にいるんだから家事をやってほしいですよ。くたくたで帰ってきたのに、汚い食器が山積みになっているのを見ると、うんざりします!」
萌子さんは内科クリニックで働く医療事務で土日休み。一方の夫は住宅販売の営業で平日休みですが、接待のはしごで帰宅が深夜になることも。結婚当初、萌子さんは温かい食事と風呂を用意するため、どんなに遅くとも起きていたのですが、夫の反応は感謝ではなく激怒。「余計なお世話だ。お前が待っていると思うと仕事に集中できないじゃないか!」と吐き捨てたそうです。それでも萌子さんはテレビゲームに興じる夫を横目に2人分の食事を作り、洗濯や掃除をこなすなど懸命に尽くしてきたのです。たとえ風邪を引いても、萌子さんは文句の一つも言わずに全ての家事を担っていました。
しかし、夫の自己中心的な性格はそれ以降も変わらず。萌子さんに向かって「俺は頼んだ覚えはない。家のことはお前が勝手にやってるんだろ!」と逆上。さらに「お前の気が強すぎるから、今まで何もできなかったんだ!」と攻撃するありさま。まるで家事を手伝わないのは萌子さんのせいだと言わんばかり。次第に夫婦関係は冷えていったのですが、そんな矢先に起こったのが新型コロナウイルスの問題でした。