新型コロナウイルスの影響で4月23日に亡くなった岡江久美子さんは、夫の大和田獏と一緒によく熱海の別荘で過ごしていたという。
「とにかく明るくて、目が合うと“こんにちは!”と声をかけてくれるんです。いないときでも庭がきれいで、キチンとされているなと思っていました」(近くの住民)
別荘は熱海を一望できる丘の上にある。'07年に豪華な鉄骨造りの家を建てていた。
「120坪の土地に延べ床65坪の2階建て。土台が崩れないよう擁壁の工事も必要ですから、当時の購入額は総額で1億円は超えたと思います」(地元の不動産関係者)
正反対にみえる夫婦だけれど……
岡江さんは熱海の中心街に出かけることも多かった。
「居酒屋で一緒になって、私の話に付き合ってくれたことがあります。後日、近くのスーパーで声をかけたら“あらビックリ”って、覚えていてくれました」(地元住民)
別荘から車で30分ほどの距離に“名門”として知られるゴルフコースがあり、足繁く通っていた。
「別荘を買ってすぐにクラブ会員になっていました。ご夫婦でもプレーしていましたよ」(ゴルフ場の常連客)
ごく最近もゴルフ場を訪れていたようで、
「年末に乳がんの手術をしたと聞いて心配でしたが、今年の3月9日に女性の友人と一緒に来ていました。1ラウンドを終えた後に、“もう少しまわりたい”と急きょ9ホールを追加したんです。翌日が雨の予報だったからでしょうね。1ラウンドでもけっこう疲れるのに、60代の岡江さんが1.5ラウンドをプレーしたのでほぼ回復したんだと思っていました。まさか翌月に亡くなるなんて……」(同・常連客)
岡江さんが行きつけだったバーのマスターは、彼女の優しい気遣いをよく覚えていた。
「7、8年前から顔を出していただいています。いつも獏さんとおふたりでした。私が90代の母の介護をしていると話したら、次に来店されてからは毎回、カウンターに座るなり“お母さんはどうなの? 元気?”って聞いてくるんです」(マスター、以下同)
岡江さんも'17年に実母が94歳で亡くなるまで8年に及ぶ介護生活をしていた。
「母は下半身不随ですが手先は器用で着物の帯でバッグを作っているんです。それを岡江さんにプレゼントしたら喜んでくれて“写真を撮ってお母さんに送ろうよ”って言うんです。母に写真を見せて“岡江さんが心配していたよ”と伝えたら大喜びでした」
ときに天真爛漫な振る舞いを見せることもあった。
「いつも笑顔でアネゴ肌。対して獏さんは心配性。正反対に見えますが、ふたりとも天然(笑)。獏さんがひとりでしゃべって悩んでいると、岡江さんはうわの空。“このお皿カワイイ”とか全然関係のないことを話すんです。でも、夫婦としての会話は成り立っているんだから不思議です」
言葉ではなく、心で通じ合っていた。
「なので、獏さんの今後が心配です。身体の半分を持っていかれたようなものでしょうから。早く元気になって、また店に来てほしいです」
今後はこの別荘で夫婦の楽しみな時間が増えるはずだったのかもしれない。思い出を振り返ることも、岡江さんの供養になるはずだ。