コロナのせいで露出が減った人
いい波が来ていたのにブームに乗り損ねたのは、モノだけではない。タイミングやきっかけ、まさに運がものをいう芸能界でも、思惑とは違う展開になった人たちがいる。芸能ジャーナリストが言う。
「韓国との合同オーディション番組により結成されたJO1は、3月に待望のデビューを飾ったのですが、世間はコロナ一色になってしまい、タイミング的にコロナの直撃を食らった感がありますね。初動の売り上げが30万枚を突破し、オリコン1位も獲得していますが、さらに伸びを見せた可能性はありました。
同じく韓国との合同プロジェクトのガールズグループNiziU(ニジュー)は、6月に最終メンバーが決定し、秋にデビューが決まったところなので、下半期の盛り上がりに期待です。
『水曜日のダウンタウン』(TBS系)との連動企画MONSTER IDOLで、メンバー選抜からデビューまでを密着したアイドルグループ『豆柴の大群』も、デビュー曲はスマッシュヒットを記録しましたが、その直後の展開が大々的に出来なかったため、やや盛り上がりに欠けてしまった気もします」
音楽業界だけでなく、毎年、お茶の間の人気者が誕生する芸人やタレント界も、もちろん影響は大きかった。
「M-1で一気に知名度をあげた、ミルクボーイやぺこぱは、今もテレビには出ていますが、もっと引っぱりだこの状態を経験できたかもしれませんね。第7世代芸人のブームが、飽きられることなく、秋以降にさらなる盛り上がりを見せるかどうかに注目したいところです」(同前)
人だけでなく“作品”にも大きな影響を与えている。映画の公開延期、さらにテレビドラマも、軒並み延期が相次いだ。
「大本命だった『半沢直樹』、そして『BG』が延期されたのは大きいですね。途中で中断されたドラマも、それまでの視聴者が戻ってくるかわからない。一方で、『M』などが、刺激に飢えていたお茶の間にウケたりしました」(同前)
上半期にできなかったことが、そのままスライドするものも多い下半期。もともと予定されたいたものとの決戦になったり、思わぬところからヒットやブームが生まれたりするかもしれない。失われた上半期から、充実の下半期になることを祈りたい。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉