葬儀参列も香典もネットからOK
そんな中、注目を集めているのが、インターネットでライブ配信される葬儀にネット上から“参列”する「オンライン葬儀」だ。いったい、どういう仕組みなのだろうか?
「住職がお寺などで読経する様子をネットで配信。喪主さまやご遺族、親戚や友人などの参列者は、別の場所からパソコンの画面越しに手を合わせ、焼香します」
そう話すのは、葬儀社の紹介などを手がけるライフエンディングテクノロジーズ(東京都港区)の執行役員・栗本喬一さん。4月中旬からオンライン葬儀サービス『スマート葬儀』をスタートさせた。
「お坊さんから“(コロナの影響で)法事がキャンセルになって困っています”と相談され、葬儀を考えている方からも“こんな状況で法事ってどうやればいいのでしょう?”という声をいただいたのがきっかけです。テレワークのような形で葬儀や法事ができないかと考え、システム化しました」(栗本さん、以下同)
同社のオンライン葬儀は、訃報とともに、喪主が事前に登録した相手へメールやLINEで葬儀をライブ配信するURLが届く。そこへアクセスして、ネット上で記帳をすませ、参列する流れだ。
「ショッピングサイトでお買い物をするのと変わらない感覚で、お花やお供え物はもちろん、お香典もネット決済で送ることができます」
料金は、葬儀料に平均3万~5万円をプラスした程度。パソコン越しの葬儀に当初は違和感を訴えるものの、いざ利用してみると、“これで十分”“なかなかいい”という感想を持つ人が多いとか。
「みなさん、“こういうことができる時代なんだ”と驚き、感心されているようです。年配の方はネットに不慣れな場合が少なくないので、お子さんやお孫さんが仏間にパソコンをセッティングすることが多く、コミュニケーションのよい機会になっているようです。“おばあちゃん、泣いて喜んでいた”“コロナで帰国できなかったけれど、おかげで海外にいながら参列できた”などの声も聞かれます」
このオンライン葬儀、6月下旬時点で50件を実施ずみ。さらに法事などで50件の予約が入っているという。
3密を避ける葬儀の形はこれだけではない。『ドライブスルー弔問』もそのひとつ。弔問客が車から降りることなく焼香し、合掌するという、非対面型の参列スタイルだ。