「当たり前の予防法が伝わっていない」
そんな中、“ホスト界の帝王”ローランドは9日、歌舞伎町で経営するホストクラブ『THE CLUB』を閉店すると発表した。インスタに投稿された悲痛な閉店理由は《スタッフ達の安全を確保し、かつお客様に喜んで頂けるよう運営する事は困難》とのこと。
感染症に詳しいヘルスプロモーション推進センター代表の岩室紳也医師は、歌舞伎町のホストクラブで感染リスクを減らす指導をしているが、
「流行が始まって時間がたつのに、当たり前の予防法がホストたちに伝わっていない」
と嘆き、次のように指摘する。大切なことは、唾液の交換を避けることだ。
「飛沫は2メートルしか飛ばないので、それを避ければ人の唾液を吸い込まないですむ。飲食の直前、グラスを持つ直前に手を消毒すれば、手にウイルスが付着していても口に入りません」
ホストがテーブルについたまま女性にキスをするサービス“卓チュー”に関しても、
「キスは、唾液の交換が起こるのでもっとも危険です。回し飲みもNG。食器やグラスを棚から下ろしたときは、飛沫が付着しているおそれがあるので、使用前に洗うこと」
さらにはシャンパンコールをしないなど、ホストクラブの鉄板サービスまで自粛する“鉄の掟”が、ローランドをもお手上げ状態にさせた。
岩室医師は、都知事の“いわゆる夜の街”発言にも苦言を呈する。
「問題は、感染した人が、歌舞伎町に行ったことを言いたがらない雰囲気になること。感染経路不明者を増やしてしまいますから」
特定の街、特定の業種だけを、新型コロナウイルスが狙っているわけではない。