自分は結婚に向いてない人間と判断
また、婚活市場を去っていくタイプに多いのは、ネガティブ思考の人です。
こういう方は、うまくいかないお見合いが続いていくと、幸せな結婚をするイメージが持てなくなります。お見合いに行くときの気持ちが、すでにネガティブなところからスタートしているのです。
亜由子さん(33歳、仮名)は、仮交際から真剣交際に入った聡太さん(37歳、仮名)と、このまま結婚できるものだと思っていました。ところが、真剣交際に入るや、聡太さんにフラれてしまいました。
真剣交際とは、結婚を前提にした交際です。結婚が現実味を帯びてくると、亜由子さんは、聡太さんの貯金がいくらあるのか、住む場所はどこになるのか、彼の親が介護状態になったときに自分が世話をするのではないかなど、いろいろなことが心配になってきました。
会えば質問攻め。結婚後の不安ばかりを口にする亜由子さんに、聡太さんは疲れてしまったのでしょう。交際終了がきたことを亜由子さんに伝えると、彼女は私に言いました。
「最初から、私には本気でなかったということですよね。私をフルのはさぞ簡単だったでしょうね」
この交際が終わってからというもの、彼女の思考はますますネガティブになっていきました。新しいお見合いを組んでも、お会いする前からお相手にダメ出しをするのです。
あるとき、私が亜由子さんのお見合いの立ち会いに行くと、お相手の男性、正光さん(36歳、仮名)がチェックのシャツにジャケットをはおり、ノーネクタイにチノパンというカジュアルなスタイルで現れました。彼がこちらにやってくるのを見て、亜由子さんは私に言いました。
「お見合いにスーツを着てこないというのは、私をバカにしているんですかね。この見合いを軽く見ているんですね」
これはお見合いに対する考え方の違いで、婚活アプリ等での活動歴が長い男性は、お見合いにカジュアルな服装で来てもいいと思っています。仲人型の結婚相談所の場合、お見合い場所はホテルのラウンジが多いので、スーツが一般的。ですが、婚活アプリの場合、飲み物を買ってから着席するようなカフェでもお見合いをしているので、服装もカジュアルでいいと思っている男性がいるのです。
正光さんの服装は、確かにホテルのラウンジにはラフすぎました。しかし、まだ挨拶もする前から、彼にダメ出しをし、「そんな格好で来て、私をバカにしているのか」と思っていたら、それがお見合いしているときに、会話や態度に出てしまうでしょう。
もちろん、このお見合いは正光さんからお断りがきました。その後、4件ほどお見合いをしましたが、すべて男性側から断られてしまいました。
すると、亜由子さんが私に言いました。
「婚活を1年やってみて、自分が結婚できない人間だというのがよくわかりました。これ以上婚活しても時間とお金のムダだと思うので、退会しようと思います」
結婚は、“できない”と自分で思ったときに、できなくなるのです。もうお相手に会うことを放棄するのですから。また、口を開けば、マイナスなことばかり口にする相手と一緒に暮らしたいと思う人はいませんよね。