戦争の記憶が風化しないように
参加者が絞られた中で、10年近く毎年参加している岐阜県の房前征一さん(77)にも話を聞いた。
「今回は残念ながら“県で20名”と枠が定められたので県職員5名と遺族会12名で出席しましたが、希望者は100名以上もおり行きたくても行けない人が多かったのです。
コロナでリスクがある中で追悼式を開いていただき天皇・皇后両陛下もご出席されるということへの感謝を表すためにも、私は“出席”することに決めました。
今の両陛下は戦争を経験されていませんが上皇ご夫妻の強いお気持ちを紡いでくださっていると思います。日本の象徴が、今回のように一生懸命になってくださると、われわれとしてもありがたく、戦争の記憶が風化しないように今後も式に出席していただきたいです」
陛下は冒頭の追悼式で、昨年のおことばから次のような一文を加えられたのだが、皇室がいかに国民に心を寄せているかがわかる。
《私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います》