織田の代理人である服部法律事務所の服部正尚弁護士に話を聞いたところ、
「今後の訴訟の推移もあるので、回答は差し控えますが、立証の準備はしています」
と、さらに多くの証言を準備している様子もうかがえる。
濱田コーチ側の代理人にも同じことを問い合わせたが、期日までに回答はなかった。
一般論として、今後はどんな展開で裁判が進んでいくのだろう。ハラスメント訴訟に詳しい『弁護士法人・響』の坂口香澄弁護士に話を聞いた。
「言った・言わない、の状況だとしても、裁判所が“真偽不明だから請求棄却”と判断することはまれです。提出された全ての証拠、証言から、どちらかの主張が真実なのか判断されます。ですので、お互いが自身の主張と整合的な関係者の証言をどれだけ出せるかが求められます」
双方が徹底的にやり合う姿勢
互いに歩み寄って和解する可能性はないのだろうか。
「和解は柔軟な解決が図れますが、今回の訴訟では双方とも、自身の正当性をはっきりさせたいという思いが強いのではないかと思います。そうなると和解でお茶を濁すことを是としない可能性は高いです」(坂口弁護士)
両者が徹底抗戦の構えを見せていることに、周囲も不安を口にする。
「昨年もNHK杯直前に織田さんが会見を開いて、選手たちに大きな動揺を与えてしまいました。織田さんはとにかく“300万円は絶対に渡さない”という気持ちでしょうし、濱田コーチも一歩も譲らないのでしょう。このまま行くと、間違いなく今年も裁判がシーズンにもつれ込むことになる。はたして、それは双方にとっても、選手たちにとっても、いいことなんでしょうか……」(前出・スケート連盟関係者)
フィギュアスケートが盛り上がっていくためにも、一刻も早く解決してほしい。