「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。ライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。

第45回 小島瑠璃子

 8月14・21日号『週刊ポスト』(小学館)がタレント・小島瑠璃子(以下、こじるり)と超人気漫画家『キングダム』の作者である原泰久センセイとの熱愛を報じました。

 こじるりは面食いを自称していましたので、恋愛対象は俳優などのイケメンかと思いきや、意外なところに行ったものだと私は思っていたのですが、ネットでは「原センセイはいつから独身になったのだ」という声が上がります。子煩悩で、単行本のあとがきやTwitterでお子さんに関する話もちょくちょくされていた原センセイだけに「もしかして、こじるりが略奪したのでは?」というような憶測も飛び交いました。

 これに対して、こじるりは《SNSだろうと誹謗中傷はしてはいけないし、直接傷つけるのと一緒ということが何故まだ浸透していないのだろう。想像で、ただの想像で、ひとの人格や生き方まで非難するのは本当にもう終わりにして欲しいです。とても悲しいです。》とツイートしています。

 こじるりの言うとおり、証拠もないのに略奪愛だと決めつけてはいけません。万が一、略奪愛だとしても、妻子と別れるかどうかの最終的な判断は、原センセイがすることですから、こじるりだけが責められるのもおかしな話です。若く美しい女性を手に入れるために、3人のお子さんをあっさり捨てる判断ができる男性なのだとしたら、そちらのほうがヤバいのではないでしょうか。

自らテレビで原センセイとの関係を話題に

 そんなことより、私がこじるりのヤバさを感じたのは、8月19日放送の『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)での、こじるりのふるまいなのでした。

 仕事で古代中国の兵馬俑(へいばよう)を見に行ったこじるりですが、帰国すると、家の中で妙な音がすることに気づきます。霊感のある人に家の中の写真を見せたところ、「寝室に中国の兵士が奥まで並んでいる」と言われたのだとか。

 夏に好まれるコワい話をしたのかもしれませんが、こじるりの彼氏、原センセイの『キングダム』は古代中国の春秋戦国時代を描いたもの。すかさず、司会の明石家さんまに「キングダムだなぁ!」とつっこまれていました。さんまが「もう、自ら言う~! 俺は我慢していたのに」と言っていましたが、これはこじるりがさんまを誘導したと見ることもできるでしょう。

「こじるりが略奪をしていない」と証明できない限り、こじるりの熱愛はあまりいいイメージで解釈されることはないでしょう。にもかかわらず、なぜ自分から「私の彼氏は、原センセイです」とテレビで話題にするのか。もしかしたら、こじるりは外堀を埋めたいのではないかと私は思いました。