人気番組の裏の悲劇?
かつて大ヒットした『マルモのおきて』枠で芦田愛菜主演・野島伸司が脚本のホームドラマ『OUR HOUSE』(’16年フジテレビ系)。ヒットは確実と言われたが、「ふたを開けてみれば大爆死。朝ドラ『マッサン』主演後のシャーロット・ケイト・フォックス、共演に子役の先輩の加藤清史郎、後輩の寺田心と話題性は抜群でしたがストーリーが古くさい!」(同・前)
4人きょうだいの長女(芦田)は亡くなった母の代わりに家事を仕切っていたが、ある日突然、父親がアメリカ人女性を新しい母として連れて帰ってきて……というあらすじ。
「どっかで見たことあるパターンですよね(笑)。視聴率が低いことで野島が気を悪くしたのか、後半はやけくそのような展開でした」(同・前)
第4話で3・8%を記録し、打ち切り圏内に。9話で終わりを迎えた。
「同枠で批判を買ったのが、オダギリジョー主演の『家族のうた』(’12年)。平均視聴率3・4%の同作は8話で打ち切りに。田村正和主演のかつてのヒットドラマ『パパはニュースキャスター』のパクリ疑惑が生まれて反感を買ってしまった。
そもそも日曜21時枠は『マルモのおきて』がたまたま当たっただけで、基本的に低視聴率枠でした」(前・同)
“爆死枠”というのは確かに存在するようで、
「かつて日本テレビで月曜22時枠ドラマがありました。真中瞳(現・東風万智子)主演の『メッセージ~言葉が裏切っていく~』(’03年1月~3月)は第6話で3・1%を記録。当初10話予定が2話削られて8話に。竹中直人主演の『ライオン先生』(’03年10月~12月)は、平均視聴率4・1%とふるわず。この後の藤井隆主演『乱歩R』(’04年)を最後に枠自体が終了しました」(同・前)
月曜22時が爆死続きなのには理由がある。
「当時、裏のフジテレビに『SMAP×SMAP』がありましたから、この枠はある意味死に枠。何をやってもスマスマにはかなわない、と制作陣も半ばあきらめていました」(ドラマ関係者)
日曜の21時枠も裏に当時は飛ぶ鳥を落とす勢いの島田紳助が司会を務める『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)があったのも敗因!?
低視聴率も「倍返しだっ!」
7月に亡くなった三浦春馬さんが最後に撮影していたドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系9月15日スタート)。
ラブコメディーとあってお蔵入りが決定と思われたが、4話に話数を短縮し、脚本を書き直して放送が決まった。いわゆる打ち切りとは意味が違うが、話数短縮ドラマの歴史に刻まれる作品だろう。
今になっては伝説となっているのが、上戸彩主演の『ひと夏のパパへ』(’03年TBS)。
「当時『高校教師』(TBS系)のヒロインを経た上戸彩が初代ヒロインの桜井幸子と共演したことでも話題になったのですが、平均視聴率は5・6%」(同・前)
それでも、お宝として話題になっているのだそう。
「実はこのドラマにチョイ役で堺雅人さんが出ているんですよ。堺さんは誘拐犯役でヒロインの上戸彩さんの背中にナイフを突きつけ脅すという役でした。堺さんは半沢直樹で夫婦役になったときに“ここまでこぎつけるのに10年かかりました”と話したそう(半沢直樹第1シリーズは’13年)。その一瞬のシーンを見たいファンが再放送を希望しています」(同・前)
低視聴率の中で、チョイ役から主役へと出世し視聴率の“倍返し”を果たした堺。
打ち切りの陰にはそれぞれのドラマがあった。