親が老人ホームを追い出され、途方に暮れてます(涙)
老人ホームで暴力をふるうなどの問題を起こして、親が退去を命じられた……。実は珍しくないというこんなケースには、外岡弁護士、どうすればいい!?
「退所を求められても、無条件に応じる必要はありません。まずは入居契約書を確認して、親の行動が契約解除の理由にあたるのかどうかチェック。契約解除されてもしかたのない行動があったとしても、問題行動を抑える方法を提案して、様子を見てほしいなどと交渉する余地はあります。施設にとって何が問題なのか、それを解消するほかの方法はないのか話し合って」
最終的に出ていくことになったとしても、次の施設が見つかるまで待ってもらうことはできるそう。
「無理やり追い出すと、施設側が保護責任者遺棄罪に問われる可能性があります」
逆に、ケアマネやヘルパーに不満があったり、介護のやり方に納得いかないときは?
「在宅介護なら、事業所に言えばわりと簡単にケアマネやスタッフを変えてもらえるはず。施設の場合は、介護の契約内容によります。スタッフのチェンジが難しい場合は、施設に改善をお願いしましょう。場合によっては虐待防止法に基づいて市区町村に調査を求めるという手もあります。ただ、法的責任を追及して親の居心地が悪くなる可能性も。できるだけ話し合いでの解決を目指して」
「毒親」の面倒、子どもがみないといけませんか?
暴言・暴力や過干渉で支配する毒親。それでも老後は、子どもが面倒をみなきゃダメですか?
「自分の生活を犠牲にしてまで面倒をみる必要はありません」(外岡弁護士、以下同)
“家族は、お互いの面倒をみる義務がある”と民法で定められてはいるけれど、「面倒をみる義務を扶養義務と言いますが、これには2つの段階があります。まず、自分と同じ生活レベルで面倒をみなくてはならない『生活保持義務』。2つ目が、自分の生活に余力があればサポートするという『生活扶助義務』です。
未成年の子ども、夫婦間については生活保持義務があります。一方、自分の親に関しては生活扶助義務にとどまるため、余力がないのに無理をする必要はありません」