酒を割るように

 死ぬまでに私の“仕事”をまねしてくれる人がいたらいいなと願っています私だって100年前の漫才を見て覚えて、今もやっている時代が違えば考え方が変わるのは当然。ただ、昔を活かすことができる人間は生きるのも楽なんですよ

 今の人たちはちょっと歴史を軽視して自分の判断だけでやるようなところがある。焼酎をいろんなもので割るように、昔と今の時代を掛け合わせてやればいいんですよ。そのためにも、「こんな風変わりな90歳もいたって世に伝えていくことが生きている私の義務

 ただ年をとればいいってもんじゃない。『酒は1合 ご飯は2膳 夜中に5回もお手洗い 百まで8年訳はない みなさまどうぞ宜しく願います

※週刊女性で連載していた『生きるって死ぬって……いま伝えたいこと』の取材で92歳当時に語ってくださったお話を再掲載したものです。