ミサイルに核問題など、お騒がせ続きの北朝鮮。ロングヒット中のドラマ『愛の不時着』で描かれている「普通の人たち」の暮らしぶりに、親近感を覚えた人も多いはず。謎多き国のリアルな姿とは!? Q&A方式でお答えします!
Q1. 金正恩に影武者がいるってホント?
「影武者説は全くの嘘っぱち。複数の記者が売名行為で言いだしてネット上で広まった、フェイクニュースです」
そう話すのは、北朝鮮専門ニュースサイト『デイリーNKジャパン』編集長でジャーナリストの高英起(こうよんぎ)さん。
「北朝鮮で、金正恩はいわば王様、最高の権威です。影武者や替え玉を置く行為は、その権威を傷つけることになるから、やらないんですよ」
ふくよかすぎる体形から重病説や死亡説が出たことも。
「今年4月に心臓のカテーテル手術を受けていますが、今すぐ命にかかわる状態ではないと思います。問題は、2015年ぐらいから4年間で40キロほど激太りしたこと。ストレスが原因でしょうね」
Q2. 個性的すぎる髪型は「気合」の表れ?
「北朝鮮では“野心ヘア”とか“覇気ヘア”と呼ばれていて、金正恩の性格や心情を表す重要な要素。昔はサイドの剃り込みが青かったのが、最近は剃りすぎて、地肌になじんで肌色に(笑)。気合の表れですよ」(高さん)
最初は、「建国の父」で、いまだに国民の間でカリスマ性を持つ祖父・金日成をまねるためだったという。
「ところが、途中から吹っ切れてオリジナル路線をひた走るように。セレブって突拍子もない服装をするし、それで騒がれるのが快感。よくも悪くも独特の感性になります。金正恩も完全にセレブ気分ですよ。俺は世界の注目を集める人物なんだ、と。実際、髪型をアップにしたら、国際的な通信社がニュースにしたんです。金正恩の髪が2センチ上がったって(笑)」
Q3. なぜミサイルをぶっぱなすの?
「国際社会で存在感を高めるには武力に訴えるのが手っ取り早い。実際、金正恩にはそれしか方法がない。北朝鮮が倒れても世界経済にさして影響はありませんが、軍事脅威がある限り、どこの国も対応せざるをえません。ただ、陸上戦でドンパチやったところで最新鋭の武器や戦車を持つ国に勝てるわけがない。だからミサイルを使うんです」
と、高さん。ミサイルは飛び道具というわけだ。
「世界的に存在感を高めなければ、国民から“うちの国ってこんなもんか”と思われて誇りが持てませんよね。僕は評価しませんが、そのために安倍さんも外交に力を入れていた。北朝鮮にとってのミサイルも同じです」