「JR茅ケ崎駅の東海道線ホームでは、発着時にサザンオールスターズの曲『希望の轍』を流しているので、同じ茅ケ崎駅の相模線ホームでは加山さんの曲を流し、さらに駅構内のアナウンスも加山さん本人に録音してもらうのはどうかと。

 ダメもとで加山さんの事務所に提案したら、予想外にいい返事をいただき、ちょうどこれから動こうとしていたところだったのですが、加山さんが倒れてしまったんです」(前出・商店会幹事)

 まさに踏んだり蹴ったりの商店会一同。行き詰まりながらも熱い思いで突っ走る商店会の思いを、加山サイドはどう感じているのか。まずは、今の状況を事務所に聞いた。

加山雄三の現在の状況は……

「去年、脳梗塞を患いましたから、加山には治療に専念してくださいと伝えています。本人は、中止になったディナーショーやテレビ番組収録に対して、“みんなに悪いな、申し訳ない”としきりに言ってます」

 '18年に愛船『光進丸』を火災で失い、追い打ちをかけるように2度の緊急入院が続いた。

「気持ちを若く持てば若くいられると、世間にアピールしたい気持ちもあり、本人がいちばん悔しい思いをしているはずです」(加山の事務所、以下同)

『光進丸』を焼失するまでは、燃料のいらない船“エコシップ”計画の夢を語っていたが、その夢はどうなったのか。

「本人の思いはまだあるようですが、お金の面や、光進丸を焼失してしまってひどく落ち込んだ気力の問題もあって、今はボランティアへの思いが強い。基金を作って、コンサート収益などを寄付する活動を続けています。常に“この年だから人の役に立つこともやんなきゃね”と言っております。“老後は船”という考えは変わってきていますね

 そうした思いは、長年過ごした故郷・茅ヶ崎にも向き始めているのかもしれない。

「トークショーはスケジュールの都合で受けられませんでしたが、加山としては育った街である茅ヶ崎のご要望を断る理由はありませんので、今後も前向きに検討します

 商店会が苦労して考案した、茅ケ崎駅の相模線ホームの曲と構内アナウンスの一件にも喜んでいたという。