身の丈に合ったお金の使い方をしろ

 お金の使い方やお金に対する考え方は、本当に人それぞれです。洋太さんのように“お金がないから無駄な出費をしない”という人もいますが、例え年収が1000万円を越えていても、お金の使い方にシビアな人もいます。

 先日、麻美さん(35歳、仮名)が、外資系に務める昭栄さん(38歳、仮名)と、お見合い後に交際に入りました。麻美さんの年収は350万円、昭栄さんは1300万円でした。

 初めてのデートで珍しい日本酒が取り揃えてある和食屋さんに行ったのですが、会計の1万2000円は、きっちり割り勘でした。そこは麻美さんが、「日本酒が好き」とお見合いのときに言ったのを昭栄さんが覚えていて、予約をしたお店でした。次のデートは、「ビールが好き」という昭栄さんに合わせて、ビアホールに行きました。そのときの会計は、8000円で、そこも割り勘でした。

 麻美さんは、割り勘には抵抗がなかったのですが、2回目のデートを終えたときに、昭栄さから言われたことに、どうしても納得がいきませんでした。彼はこう言ったのです。

「あなたは前回も今回も、金額を考えずに高いものをバンバン頼みますよね。自分の身の丈に合ったお金の使い方をしたほうがいいですよ」

 この言葉を聞いて、彼女は、“交際終了”を決めました。麻美さんは、私にこう言いました。

「彼にごちそうになったわけじゃない。割り勘なのですから、私のお金で食べたいものを食べて、飲みたいお酒を飲んで何が悪いのでしょうか。何を頼もうが、いくら使おうが、彼に言われる筋合いはないと思います」

 これもお金に対する考え方の違いでしょう。昭栄さんにしてみたら、 “こんなふうに散財する女性に家計を任せたら、家計の出費もかさむ”と思ったのかもしれません。

 ただ麻美さんの言い分もわかります。“ごちそうになったわけではない。きっちり割り勘なのだから、頼みたいものを頼んで、何が悪いのか”、と。

 これも、お金をどう使うのかの考え方が、双方で違っていたから起こったトラブルでしょう。

お金の使い方には、人間性が映し出される

 人それぞれにお金の使い方は違います。ですが、これまで多くの成婚していった会員たちを見ていると、金銭感覚が細かかったり、奢れなかったりする男性は、女性には好かれない傾向にあります。

 男女平等の世の中ですし、若い人の間では割り勘デートが当たり前になってきているといわれています。でも、多くの婚活女性たちは、こう言うのです。

「2人で食事をして1万円。それを5000円、5000円の割り勘にするなら、5000円で2人ぶんの食事ができるお店に連れて行ってほしい。そのほうが、相手から大事にされている気持ちになる」

 ただ、女性たちもおごられることを当たり前だと思っていたらいけない。食事をごちそうになったら、次のお茶代を出したり、次のデートのときにお礼の小さなプレゼント(お菓子やお茶など、消え物がいいですね)を、持っていったりする。そうした気遣いを忘れないでいてほしいですよね。

 金額云々ではなく、その時間を楽しんだり、心を豊かにしたりするためにお金を使う。相手に喜んでもらうためにお金を使う。そんなふうに考えられると、生きたお金の使い方につながる気がします。

 また、“1円たりとも無駄にお金を使いたくない”と思っている人は、そういう考えのパートナーを選ぶと結婚生活もうまくいくのではないでしょうか。


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/