一時金の金額を決めるのは皇族ではない

 つまり、一時金は“結婚お祝い金”ではなく、あくまで民間人になってからの品位保持を目的としたお金。たとえ、結婚する前に皇籍を離脱されても、眞子さまに一時金は支払われるということだ。

 それならば、眞子さまが一時金を辞退するという方法も考えられるのだが、前出の河西准教授は問題点を指摘する。

「1億数千万円の一時金を理由に、おふたりの結婚を反対している国民も少なくないので、もし一時金を辞退されるならば、納得する国民も増えるかとは思います。

 ただ、一時金というのは元皇族としての品位を保持したり、結婚後のセキュリティー対策に使う“必要経費”という意味合いもあります。

 現状の制度であれば、いずれは“天皇陛下の姉”という立場になられるので、一時金がない状態で民間人となられた場合、品位保持や安全性を確保できるのかという問題が出てくると思います」

黒田清子さんには約1億5千万円の一時金が支給された('05年11月)
黒田清子さんには約1億5千万円の一時金が支給された('05年11月)
【写真】'05年のご結婚当時、約1億5千万円の一時金が支給された黒田清子さん

 一時金を減額するという方法も「現実的には難しい」と、宮内庁関係者が声を潜める。

「法律上、一時金の減額は可能ですが、しかし、皇室経済会議のメンバーには“なぜ、この金額に決定したのか”という説明責任があります。“国民からの批判が大きいから減額するべき”や“品位を保持するために、ある程度は出すべき”など、議論が難航することが予想されます。そうなると、前例に則った支出額に決定するのが“無難”なんですよ」(同・宮内庁関係者)

 前出の山下さんも、眞子さまへの一時金は前例を踏まえた金額になると予想する。

「眞子内親王殿下はいずれ、“天皇の娘”と“天皇の姉”になる方ですから、生涯にわたっての品位保持のためという観点から、満額である1億5250万円が支給されてもおかしくはありません。ただ、そういった事情まで考慮すると議論が複雑になるおそれがありますので、“天皇の孫”の前例に則って、1割減になる可能性のほうが高いでしょう

 平成時代に“天皇の孫”である眞子さまは『令和』になってもその位置づけは変わらない。規定される満額の1割減であっても“約1億4千万円”という一時金が、眞子さまが嫁がれた後の“小室家”に渡ることになるのだ。

一時金の額は皇室経済会議のメンバー、ひいては“国”が決定するものです。秋篠宮ご夫妻や眞子さまご自身が“減額してほしい”と口を挟むことはできないので、結局は国にお任せすることしかできません。国民がこの結婚に対して否定的だったとしても最終的には、前例を踏まえた金額に決定すると思われます」(前出・宮内庁関係者)

 この結婚において“金銭トラブル”は、最後の最後までつきまといそうだ……。