とにかく男にモテモテだった
メキメキと実力を伸ばしていったのは、小学校高学年から中学生にかけての時期だった。
「だんだん身体ができてきて、体格のいい相手にも勝てるようになってきてね。同学年の中でもトップクラスの強さになっていたよ」(佐久間さん)
相撲にのめり込んでいった翔猿は、相撲の名門といわれる埼玉栄高校に進学する。
「2年生のころからどんどん実力をつけて全国大会の団体戦で優勝。人望もあって、3年生のときにはキャプテンに選ばれました」(相撲部の山田道紀監督)
高校時代は、寮で部員同士の共同生活をしていた。
「人懐っこく口も達者でみんなに好かれていたね。とにかく男にモテモテだったよ。女子は知らないけどね(笑)。あるとき、翔猿に“お前は男前だから活躍したら女性人気も出るかもしれないな”って冗談っぽく話したこともあったけど、まさか本当にそうなるとはね……」(山田監督)
高校卒業後は日本大学経済学部に進み、相撲部に入部。
「大学相撲で結果を残した翔猿はプロを決意。日大出身が多いという理由で追手風部屋に入門。あまりのスピード出世でマゲも結えず四股名をつけるタイミングを逃したことで知られる遠藤が同部屋です」(前出・スポーツ紙記者)
力士になってからも、高校時代の縁は続いている。
「秋場所の前、高校の後輩たちにお米を600キロも送ってくれたんだよ。幕内に上がったことでの感謝の気持ちだったんだろうね。心の余裕もあったんじゃないかな。今後はケガをしないで頑張ってほしい」(山田監督)