子どもから大人まで夢中になっているアニメ─といえば、そう『鬼滅の刃』(以下、『鬼滅』)だ。人を襲う“鬼”に母と弟たちを殺されてしまった少年が、“鬼”にされてしまった妹を救うべく剣技を磨きながら仲間とともに鬼退治の旅をする─というストーリー。『週刊少年ジャンプ』連載の同名コミックが原作なのだが、'19年にテレビでアニメ放送がスタートすると、そのドラマ性と緻密に練り上げられた世界観、登場キャラクターたちの魅力が広く知られて人気爆発。単行本が発売されれば書店では即、完売、登場キャラクターになりきる“コスプレ”を楽しむファンも続出した。
「実は『ジャンプ』での原作の連載は今年5月に終了しているんですが、終了後、人気が落ちるどころか、さらに加速した感じです。こういうケースはすごく珍しい。芸能人や有名人にもファンが多くいて、あの明石家さんまさんですら“数十年ぶりにアニメ見てるわ”と、絶賛ハマり中なんです」(アニメ誌編集者)
10月16日、その劇場版である『鬼滅の刃 無限列車編』が封切りされるや、瞬く間に日本中を熱狂の渦に巻き込んだ。初日からの3日間で観客動員は342万人を超え、興行収入は46億円を突破! 映画館には朝4時からファンが殺到。鑑賞やグッズ購入の長い行列ができ、お目当てのグッズを求めて2軒、3軒と映画館を“はしご”する猛者まで出現している。
「このスタートダッシュは、ジブリ最大のヒット作『千と千尋の神隠し』や『君の名は。』といったメガヒット映画の記録を塗り替える日本映画史1位の数字。正直、ここまでの数字を叩き出すとは思っていませんでしたが、とにかくこれで『鬼滅』が名実ともに“国民的アニメ”になったことは間違いありません」(同・アニメ誌編集者)
炭治郎役の声優に“ファン離れ”の過去
もはや社会現象にもなりつつある『鬼滅』人気を支えているのが主人公・竈門炭治郎を演じる声優・花江夏樹。超ヒット作の主人公という“当たり役”をつかむ以前から、数々の人気アニメで主要キャストを務める実力者だ。アニメファンならずとも、今年10月まで4年半にわたって長寿子ども向け番組『おはスタ』(テレビ東京系)のメインMC“はなちゃん”を務めていた─と言えば覚えがある読者も多いだろう。
「人気の秘密は何といっても演技力。炭治郎に限らず花江さんは感情表現が抜群なんです。アフレコのとき、演じているキャラクターが泣くシーンでは、花江さん自身もマイクの前で涙を流しながら演じていますからね」(声優事務所関係者)
“全集中”の演技を終えて、キャラクターを脱いだ花江自身も大人気。
「普段の花江さんは、演じているときと違ってメガネの似合う“のほほん”とした天然キャラ。そのギャップも女性ファンからすると“萌えポイント”が高いんです。その証拠に“イケメン声優”として何度も専門誌に取り上げられていますし」(同・声優事務所関係者)
ひとつ残念なことは、
「4年前に結婚しちゃったことですね(苦笑)。そのせいで女性ファンが一気に離れた時期もありましたから。本人は公に認めていませんが、お相手は“5歳年上の元アイドル”だというのは業界内では公然の秘密。いまでは双子のパパでもあります」(同・声優事務所関係者)
その結婚は自身のラジオ番組で突然発表されたのだが、その裏では“天然キャラ”らしいこんなハプニングが。
「所属事務所のスタッフと花江さんが“結婚公表”のタイミングを事前に話し合っていたそうなんですが、花江さんが話し合いを忘れてラジオでフライング発表してしまったんです。スタッフは“話し合った意味が全然ないじゃん”と苦笑いしていました」(前出・アニメ誌編集者)