前出・田淵さんが注目するのが動画配信業界だ。
「HIKAKINさんやはじめしゃちょーさん、ヒカルさんら人気ユーチューバーは上位にランクインすると思います。
長者番付上位にいたとんねるずの石橋貴明さんも最近ユーチューブを始めました。タレントさんも、どんどんユーチューブで配信をスタートさせていますから、それだけ注目されているんです」
ただし、芸能人であることで注意すべきなのが『脱税』だ。
'19年にもチュートリアルの徳井義実が巨額脱税で活動を自粛することになった。
「上場企業となると株主がいて、お金の動きは常に監視されている状態です。しかし芸能人はいわば個人事業主や中小企業が大半。どうしても監視の目が少なく、納税への意識が甘くなることも関係あると思います」(前出・同)
そんな芸能人たちの高額な税金は国家予算としてあてられて、私たちの生活に還元されていく。
『長者番付』は、その時代をうつす鏡。そこで、高度経済成長期、バブル崩壊間際に“プレーバック!”
バブル直前の80年代は
1980年5月2日、朝日新聞22面に掲載された1979年分の高額所得者を公示する記事のタイトルは、《TVは“ゼニの源”芸能人・作家ウハウハ》。テレビが娯楽の頂点だったこの時代、お茶の間の人気はドラマや映画で活躍する俳優たちだった。
音楽業界は当時まだ30、40代で現役バリバリの演歌歌手の北島三郎、森進一、五木ひろしが常にランクイン。一時はランク外に落ちた美空ひばりさん(享年52)も、不動産譲渡による所得加算も得つつ、上位に不死鳥のごとく甦った。
そこに挑んだのが当時、若者から圧倒的な支持を得ていた“ユーミン”ことシンガー・ソングライターの松任谷由実。'80年代前半から上位ランク入り。'84年には6935万円の高額納税をし、堂々1位に。
'80年代の音楽業界は演歌、歌謡曲の中からフォーク、ロック、ニューミュージック系が台頭しだしてきた。サザンオールスターズの桑田佳祐は'84年分が3659万円で5位と初快挙を成し遂げた。