CASE2 夜道に出没するサラリーマン風声かけ男

 都内在住の看護師、藤木春香さん(40代、仮名)は「今も夜道を歩くのは、苦手です」と打ち明ける。2か月前、帰宅途中の午後10時ごろ、自宅近くで変質者による声がけの被害に遭ったのだ。

「私が住んでいるのは昔ながらの住宅地。夜は人通りが少ないものの、治安はよいと言われているのですが……」

 そんな藤木さんに突然、声をかけてきたのは、サラリーマン風の中年男性だった。

「『僕のニオイ、かいでみない?って言うんです今でもその男のニヤニヤした顔が忘れられません

 自宅近くということもあり、後をつけられることを恐れた藤木さんは、男をまくように遠回りをしたが……。

「後ろにいたはずの男性が目の前から歩いてきたんです。私の通り道を予測して、先回りしたんでしょうね」

 あまりの恐怖に藤木さんはすぐに交番に駆け込んだ。

「その日は、警察官が5人がかりで送ってくれました。被害届も出しましたし、警察もパトロールを強化すると言ってくれました」

 しかし、男性の正体はいまだにわからずじまい。

変なことを言われただけ、と思われるかもしれませんが、実際にそんな目に遭ったら恐怖ですよ警察に毎日、自宅まで送ってもらえるわけではないし、いますぐにでも逮捕してもらいたいですね」

CASE3 犯行を繰り返すコインランドリーの下着泥棒

5年前、当時住んでいたアパート近くのコインランドリーで下着泥棒に遭いました

 そう被害を訴えるのは、沖縄県に住む会社員の金城真由美さん(30代、仮名)。

「梅雨の時季で洗濯物がなかなか乾かなくて。週末には下着からタオルまで、コインランドリーでまとめて洗濯していたんです」

 洗濯から乾燥まで終わるのに小1時間は要する。

「ほかの家事もあったのでいったんアパートに帰り、乾燥が終わるタイミングで戻ったのですが、明らかに洗濯物の量が減っていて……」

 乾燥機の中を見ると、Tシャツやバスタオル類はそのままに、金城さんの下着だけが姿を消していた

「やられた、と思いましたね。警察に届けようと思い、実家の親にも電話で相談しました。しかし開口一番、“目を離したお前が悪い。逆恨みが怖いから、被害届を出すのは、やめておけ”と強く言われ、断念しました」

 コインランドリーには防犯カメラはついておらず、目撃者もいないという。

日がたつにつれて、“ひょっとしたら狙われていたのかも”とか“家がバレていないか”と考えると2度とコインランドリーに足を運べなくなりました知人から聞いた話では、似たような被害が近所で続いており、犯人はいまだ捕まっていないようです

 以来、金城さんは洗濯物はもっぱら室内で乾かしているという。